台湾 26日に統一地方選挙 再来年の総統選挙の前哨戦とも

台湾で4年に1度の統一地方選挙が、3日後の今月26日に行われます。再来年の総統選挙の前哨戦とも位置づけられ、結果が与野党の候補者選びに影響を与える可能性があります。

台湾の統一地方選挙は、台湾全土の市長や知事、議員などおよそ1万1000人を選ぶもので、今月26日に投票が行われ、即日開票されます。

焦点は、合わせて22の市長選挙と知事選挙の勝敗の行方です。

現在は、蔡英文政権の与党・民進党が7、最大野党・国民党が14をそれぞれ占めていて、各陣営や専門家などの間では、与野党の獲得ポスト数に大幅な増減はなさそうだという見方が主流です。
今回の選挙は、台湾海峡情勢が緊張するなかでの大型選挙ですが、台湾の政治や選挙に詳しい台湾大学の王業立教授は、「有権者の関心は主に地元に根ざした問題や候補者の人格と過去の実績などに向かい、対中関係は大きな争点にならない」と話しています。

それでも民進党トップの蔡総統は、各地の候補者の応援に入るたびに演説で「中国共産党大会のあとに行われる初めての選挙に全世界が注目している」などと述べ、中国と台湾の関係を争点にする構えを見せています。
これに対し、対中関係の争点化を嫌う国民党の朱立倫主席は、「われわれが最も台湾を愛する政党であり、最も重要な任務は民主主義と自由を守ることだ」などと主張しています。

民進党は特に重点を置く台北市や桃園市などで敗れると、候補者の擁立を主導した蔡総統の求心力が低下する可能性があるとみられています。

また国民党は朱主席が「6つある直轄市の過半数で勝つのが目標だ」と発言したことがあり、実現しなければ指導力に疑問符がつきかねません。

このように与野党いずれにとっても、選挙結果が総統選挙の候補者選びに響くことが予想され、3日後の投票日に向けて選挙戦は激しさを増しています。

焦点は台北市市長選挙 事実上の3人の争いに

蔡英文政権の与党・民進党が特に重点を置いているのが台北市の市長選挙です。

選挙には12人が立候補していて、民進党の陳時中氏、国民党の蒋万安氏、無所属の黄珊珊氏による事実上の3人の争いとなっています。

3人とも老朽化した建物が多い地区の再開発や、交通混雑の解消などに力を入れると訴えています。

このうち民進党の陳氏は、ことし7月まで蔡英文政権の閣僚として新型コロナウイルス対策の陣頭指揮をとってきました。

蔡総統が、台湾のコロナ対策は国際社会の高い評価を受けているとアピールし、24年ぶりに民進党が台北市長のポストを奪還する切り札として擁立しました。

国民党の蒋氏は、初代総統・蒋介石のひ孫にあたり、今月10日まで日本の国会議員にあたる立法委員を務めていました。

名家の看板と43歳という若さから、朱立倫主席が「党のホープ」として売り込み、8年ぶりの台北市長奪還を目指しています。

選挙戦では、蔡政権の新型コロナワクチンの調達をめぐる問題を執ように批判し、陳氏を攻撃しています。

無所属の黄氏は、台北市議会議員を21年間、その後、ことし8月まで3年間、副市長を務めました。

現職の柯文哲市長の後継候補として、柯市長が党首を務める第3勢力の民衆党の全面的な支援を受け、「民進党か国民党か」という対立の構図から抜け出すことを訴えています。