ウクライナ ロシア軍の攻撃激化 住民に一時避難呼びかけ

ウクライナでは、ロシア軍の攻撃によって発電所などのインフラ施設が被害を受け、人々は冬が到来する中で厳しい状況に直面しています。ウクライナが今月、奪還した南部の要衝ヘルソンに対しても砲撃が繰り返され、ウクライナ政府が住民に一時避難を呼びかける事態となっています。

ウクライナでは東部での戦闘が一段と激しさを増し、ドネツク州のキリレンコ知事は22日、SNSの投稿で、ロシア軍の攻撃によって、新たに4人が死亡したと非難しました。

ロシア軍の攻撃は南部でも続き、ザポリージャ州のスタルフ知事は22日、州内の町で人道支援物資が配られているさなかに砲撃を受け、1人が死亡、2人がケガをしたと明らかにしました。

ウクライナ軍が今月、奪還した南部の要衝ヘルソンでも、ドニプロ川の対岸からロシア軍の砲撃が繰り返され、ウクライナのポドリャク大統領府顧問は「軍事的な必然性はない。ひどい戦争犯罪が今も続いている」とSNSで非難しました。

各地で発電所などインフラ施設が被害を受ける中、ウクライナのベレシチュク副首相は21日、ヘルソンの住民に対し、冬の間は国内の別の地域に避難するよう呼びかけました。

21日、列車でヘルソンから離れる女性は「夜、眠るのが怖いので避難します。状況がよくなったら、また戻ってきます」と話していました。

ウクライナの大手電力会社のトップは21日、ロシア軍によるインフラ施設への攻撃が続けば、緊急停電の可能性もあるとして「防寒着や毛布を備蓄し、長時間の停電に備えてほしい」と呼びかけました。

WHO=世界保健機関は、病院などで燃料や電気が不足し、厳しい冬の到来で、多くの患者が危険な状態に置かれるとして危機感を示しています。