ウクライナ東部 戦闘激化 南部要衝にも繰り返しロシア軍の砲撃

ロシアが軍事侵攻を続けるウクライナでは、東部での戦闘が一段と激しくなっているほか、南部の要衝ヘルソンでもロシア軍の砲撃が繰り返されていて、冬が到来する中、各地で厳しい状況に直面しています。

ウクライナは21日「尊厳と自由の日」と呼ばれる記念日を迎え、首都キーウでは、8年前にロシア寄りの政権を崩壊させた抗議活動で犠牲になった人たちを悼む式典が開かれました。

当時の抗議活動に参加した元議員は、NHKの取材に対し「ロシアの軍事侵攻が続く中、いまこそ、尊厳と自由のために国を防衛しなければならない」と強調しました。

こうした中、ウクライナ東部では21日も激しい戦闘が続いていて、イギリス国防省は、ウクライナ軍が反転攻勢に出る中、ロシアの指導部が、ルハンシク州で人口が密集するスバトベの支配を政治的な優先事項とみなしている可能性が高いと指摘しています。

また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、ロシアが全域を掌握していると主張するルハンシク州の集落に、ウクライナ軍が部隊を進めている可能性を指摘しています。

一方、ロシア軍は、ウクライナが11月奪還した南部の要衝ヘルソンに向けて砲撃を繰り返していて、ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官は21日、一連の砲撃で4人が病院に搬送され、このうち1人が死亡したほか、近郊の村でも1人がけがをしたと明らかにしました。

また、ヘルソン州議会の議員は21日、地元メディアに対し、ロシア軍が連日、ドニプロ川の対岸からヘルソンへの砲撃を続け、住宅やインフラ施設が被害を受けていると訴えるなど、冬が到来し、電力や水道など市民生活の再建が急がれる中、各地で厳しい状況に直面しています。