各国の首脳会議終了 ウクライナ事態打開の難しさ示すかたちに

ロシアによるウクライナ侵攻後では初めて、欧米や中国などの首脳らが対面形式で参加した一連の会議が19日のAPEC=アジア太平洋経済協力会議の閉幕ですべて終わりました。いずれの会議でもウクライナ情勢をめぐって各国が対立する中、事態打開の難しさを改めて示すこととなりました。

一連の首脳会議は、カンボジアでのASEAN=東南アジア諸国連合や関係各国による首脳会議、インドネシアでのG20サミット=主要20か国の首脳会議、それにタイで開かれたAPECの首脳会議で19日、すべての日程を終えました。

主要国の首脳らが対面形式で参加する会議はロシアによるウクライナ侵攻後では初めてで、アメリカのバイデン大統領や日本の岸田総理大臣、中国の習近平国家主席など主要国やアジア各国の首脳らが参加した一方、ロシアはプーチン大統領の代わりにラブロフ外相らが出席しました。

このうちG20サミットでは、ウクライナ情勢をめぐり欧米各国とロシアが激しく対立し、首脳宣言には、ウクライナ侵攻を非難する欧米や日本などと、ロシアへの経済制裁に賛同しないロシアや新興国など両方の立場が併記されました。

またAPECの宣言でも合意文書のとりまとめが優先された結果、ウクライナ情勢についてG20と同じ表現が踏襲され、事態打開の難しさを改めて示すこととなりました。

一方、対立が続くアメリカと中国をはじめ、期間中、2国間の首脳会談が相次いで行われるなど、活発な外交が展開されました。

中国 習国家主席 約20か国と相次ぎ会談

一連の首脳会議の期間中、中国の習近平国家主席はおよそ20か国の首脳と相次いで会談し、存在感を内外に示しました。

中国共産党系のメディア「環球時報」は「一連の中国の首脳外交は大国としての手本を示した」と題する社説で、「われわれは3つの会議を通して、世界的な課題が複雑かつ深刻な中、人類社会の大きな団結は実現可能であり、大国が手本を示すことが鍵となることがわかった」と成果を強調しました。

一方で社説はアメリカについて「アジア太平洋地域で陣営による対抗を推し進めようとしていて、国際的な世論や圧力を受けて必ずや失敗に終わるということを世界の誰もが知っている」と批判しました。