新型コロナ 往診の医師 軽症の患者に登録センター利用呼びかけ

新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向にある中、救急患者を自宅で診療する医師への依頼も増えています。往診する医師は、全数把握の簡略化に伴い、詳しい報告の対象外となる軽症の患者などが継続的な支援を受けられるように専用のフォローアップセンターを利用するよう呼びかけています。

夜間や休日に救急患者の往診を行う医師グループ「ファストドクター」には先月中旬ごろから新型コロナの疑いのある患者からの依頼とともに、検査で陽性となる患者の割合が増えているということです。

代表の菊池亮医師によりますと、全数把握の簡略化で保健所への詳しい報告の対象を65歳以上の高齢者や入院が必要な人などに限定する運用が始まったことで、この医師グループでは、患者が重症化リスクのある人に該当するかどうか慎重に判断しているとしています。

13日、診察した都内の30代の男性は、39度の発熱や頭痛などを訴え、新型コロナの検査で陽性でしたが、医師は診察した結果、基礎疾患がないことなどが確認されたことから保健所への詳しい報告の対象外だと判断しました。

そのうえで、自宅療養した際に症状が悪化した場合の相談など、継続的に支援を受けられるように都の登録センターなどを利用するよう説明していました。

一方、同じ日に往診して新型コロナの検査で陽性だった70代の男性患者については、詳しい報告の対象となるため、保健所と連絡を取りながら療養するよう説明しました。

菊池医師は「全数把握の簡略化によって、患者の基礎疾患の確認など、より丁寧な対応が求められている。今後、患者が増える可能性があるので改めて感染対策の徹底を心がけてほしい」と話しています。