7-9月GDPきょう発表 民間予測“個人消費伸び悩み成長率鈍化”

内閣府は15日、ことし7月から9月までのGDP=国内総生産を発表します。新型コロナの感染拡大などの影響で個人消費が伸び悩むとの見方から民間の予測では、実質の伸び率の平均が年率換算でプラス1%台前半と成長が鈍るという見通しとなっています。

公益社団法人の「日本経済研究センター」が集計した民間のエコノミスト35人の予測の平均は、前の3か月と比べた実質の伸び率が、年率換算でプラス1.21%となっています。

実際にプラスとなった場合でも成長率は鈍化するという見方が多くなっています。

このうち、
▽「個人消費」の予測の平均は前の3か月と比べてプラス0.23%となっています。
新型コロナによる行動制限がなかったことから外食や宿泊は回復したものの、感染拡大や物価高の影響で、消費全体としては伸び悩むと予測されています。

また、
▽「企業の設備投資」はコロナ禍からの経済活動の回復が進む中でこれまで先送りされてきたソフトウエアや機械設備の投資が増加したとして、平均でプラス1.68%の見通しとなっています。

さらに、
▽「輸出」は、部品の供給不足が緩和したことで自動車を中心に回復し、平均でプラス1.68%と予測されています。

物価高や円安で家計の厳しさが増す中、今回のGDPの速報では、個人消費にどこまで力強さがみられるのかが注目点となります。

米国 中国 ユーロ圏は伸び率いずれもプラス

すでに発表されているアメリカや中国、それにユーロ圏のことし7月から9月までのGDP=国内総生産の伸び率はいずれもプラスとなっています。
【アメリカ】
先月27日に発表されたアメリカのことし7月から9月までのGDPは、前の3か月と比べた実質の伸び率が年率に換算してプラス2.6%でした。輸出や政府支出の増加に支えられて3期ぶりのプラスとなりましたが、記録的なインフレが続いていることでGDPの多くを占める個人消費は減速しました。

【中国】
中国の同じ時期のGDPは、内閣府による試算で前の3か月と比べた伸び率が年率でプラス16.5%となりました。上海での厳しい外出制限の影響によって前の3か月、4月から6月までのGDPが落ち込んだことから、その反動で大きな伸びとなりましたが、個人消費が伸び悩むなど経済の回復には力強さを欠いています。

【ユーロ圏】
ドイツやフランスなどユーロ圏19か国のことし7月から9月までのGDPの実質の伸び率は、前の3か月と比べてプラス0.7%となりました。6期連続のプラスとなりましたが、ロシアによるウクライナへの侵攻の影響でエネルギー価格が高騰するなど、記録的なインフレが個人消費や企業活動を圧迫し成長のペースは鈍化しています。