ウクライナ 掃討作戦続ける ロシアは政権に打撃の可能性も

ウクライナ軍は、南部ヘルソン州で州都ヘルソンを含む地域の奪還を進め、市内にロシア兵が残っていないか掃討作戦を続けています。一方、ロシア国内では強硬派からロシア軍の撤退に批判的な声が出ているという分析もあり、今後、プーチン政権にとって打撃になる可能性もあります。

ウクライナ南部ヘルソン州をめぐり、ロシア国防省は11日、州都ヘルソンを含む地域から軍の部隊を撤退させたと発表し、ウクライナのゼレンスキー大統領は12日、これまでに州内の60か所以上の集落を奪還したと明らかにしました。

ウクライナ軍はヘルソン市内にロシア兵の一部が民間人を装って潜んでいる可能性があるとして、投降を呼びかけるなど、掃討作戦を続けています。

一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は12日、ロシア軍がヘルソンから部隊を撤退させたことについて、プーチン大統領とロシア国内の強硬派勢力との間で亀裂が生じているとする見方を示しました。

このなかでは、ロシアの著名な思想家で、強硬派として知られるドゥーギン氏が「国を守る責任を果たさなかった」などとプーチン大統領を暗に批判したとされる例などを挙げ、侵攻を継続する能力について、プーチン大統領が強硬派の信頼を損なっているなどと分析しています。

ヘルソンからの撤退についてロシア大統領府のペスコフ報道官は11日、「この決定は特別軍事作戦の一環であり、国防省に問い合わせてほしい」として、あくまで国防省による判断だと強調していますが、今後、プーチン政権にとって打撃になる可能性もあります。