写真家 星野道夫さんが撮影した写真か 雪原や動物など6枚確認

極北の自然や人々をテーマに撮影を続け、26年前、取材中に亡くなった写真家、星野道夫さんが、亡くなる1年前に撮影したとみられるフィルムが見つかりました。当時のカナダとみられる雪原やホッキョクグマなどが写っていて、専門家は「26年間の地球の変化を知ることができる貴重な写真だ」と話しています。

写真家、星野道夫さんは、北極圏の自然などをテーマにした写真で人気を集めていましたが、1996年、ロシアのカムチャツカ半島でヒグマに襲われ、43歳で亡くなりました。

関係者によりますと、アメリカ・アラスカ州にある自宅から、星野さんが使っていたパノラマ撮影用のカメラが見つかり、その中にフィルムが残されていたということです。

現像したところ、フィルムの劣化のため赤みがかった色に変色していましたが、雪原の風景や雪の上を歩くホッキョクグマの親子など6枚の写真が確認できたということで、日誌などから、亡くなるおよそ1年前に北極圏に近いカナダのマニトバ州チャーチル付近で撮影されたとみられるということです。

東京都写真美術館の関次和子チーフキュレーターは「星野道夫さんの資料は出尽くしたと思っていたが、カメラごと見つかったのは驚きだ。豊かな動物の営みの一片が残されていて、この26年でいかに地球が変わったかを知る貴重なメッセージと感じる」と話していました。

写真は、東京都写真美術館で今月19日から開かれる写真展で展示されます。