岸田首相 カンボジアに到着 ASEAN首脳会議など出席へ

岸田総理大臣は、東南アジアの最初の訪問先、カンボジアに到着しました。12日はASEANとの首脳会議に出席する予定で、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、法の支配や自由に基づく国際秩序の維持・強化に向けた協調を呼びかけることにしています。

岸田総理大臣は、8日間の日程で東南アジア3か国を訪れ、ASEAN=東南アジア諸国連合との首脳会議などに出席するほか、日米韓3か国の首脳会談や日米首脳会談などを行うことにしています。

葉梨 前法務大臣の辞任の影響で当初の予定から10時間遅れて、12日午前1時すぎ最初の訪問先カンボジアに向け、政府専用機で羽田空港を出発しました。現地では午前からASEAN各国が参加する会議が予定されていて、一時は、オンラインでの参加も検討されましたが、国内の事情で各国との関係に支障が生じるのは避けたいとして未明の出発となりました。

そして日本時間の午前7時半ごろ、カンボジアの首都プノンペンに到着しました。12日は日本とASEANの首脳会議や、ASEANと日中韓3か国の首脳会議に出席する予定です。

一連の会議で岸田総理大臣は、ロシアによるウクライナ侵攻や核兵器使用の威嚇を非難し、アジアを含めたいかなる地域でも力による一方的な現状変更は認められないとする立場を重ねて訴えることにしています。そして、法の支配や自由に基づく国際秩序の維持・強化に向けた協調を呼びかけることにしています。

またASEAN諸国に対し、新型コロナで影響を受けた経済の回復や、脱炭素化、それに食料安全保障の強化などを支援していくことも伝える見通しです。

さらに、ASEAN議長国のカンボジアなどと個別に首脳会談を行い、各国との連携強化を図りたい考えです。

「中国、韓国とそれぞれ首脳会談を行う方向で調整」

岸田総理大臣は日本からの出発前、記者団に「ロシアによるウクライナ侵略で自由で開かれた国際秩序が脅かされる中、ウクライナ、北朝鮮といった地域情勢や食料・エネルギー安全保障など国際的な課題について議論が行われる。日本の立場、主張をしっかりアピールしなければならない」と述べました。

そのうえで今回の訪問に合わせて、現地で中国、韓国とそれぞれ首脳会談を行う方向で調整を進めていると明らかにしました。

岸田総理大臣にとっては、閣僚の辞任が相次ぐ中での首脳外交となり、具体的な成果を示して政権の安定化につなげていけるかが問われます。

新型コロナ感染拡大防止へ「ワクチン接種」「換気」呼びかけ

また岸田総理大臣は、新型コロナについて、足もとの感染動向を注視しているとしたうえで「自身や大切な人を守るためにぜひ早期のワクチン接種をお願いしたい。また寒い地域で感染が拡大しているので、十分な換気にも努めていただきたい」と呼びかけました。

そして「発熱外来や、電話やオンライン診療の体制強化といった保健医療体制の確保に先手先手で取り組んでいかなければならないと考えて今進めている。やるべき取り組みを引き続きしっかり進めていきたい」と述べました。