“ロシア軍兵士の損失 多くが同士討ちか” 親ロシア派幹部

ウクライナでの戦闘をめぐって、東部ドネツク州の親ロシア派の幹部はロシア軍の兵士の損失の多くが同士討ちだったとの見方を示しました。また、動員で派遣されたロシア軍の予備役500人以上がウクライナ軍の攻撃を受け、一個大隊がほぼ全滅した可能性も指摘されています。

ウクライナ軍は、領土の奪還を目指して南部ヘルソン州で反転攻勢を強め、中心都市ヘルソンでの攻防が焦点となっています。

ロシア軍はヘルソンから撤退を示唆する動きもみせ、親ロシア派幹部は7日、「住民を乗せた最後の船が出発した」と述べ、住民を移動させる作業がおおむね完了したと主張しました。

これに対し、ウクライナ軍の参謀本部は、ロシア軍は撤退すると見せかけて市街地におびきよせるような動きをしていると警戒感を示しています。

こうした中、東部ドネツク州の親ロシア派の幹部は5日、ロシア軍の兵士の間で、同士討ちが続いていて、ことし5月中旬以降、人的損失の60%にのぼる可能性があるという見方をSNSに投稿しました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は「ロシア軍の連絡系統と指揮統制の調整が欠如していることを示している」と分析しています。

また、複数の独立系メディアは5日、動員されて東部ルハンシク州に派遣されたロシア軍の予備役500人以上がウクライナ軍の攻撃を受けて死亡し、一個大隊がほぼ全滅した可能性があると伝えました。

生き残った兵士などの証言では今月1日、ざんごうを掘るよう命じられたもののスコップは30人に1本しかないなど、資機材が不足していたということで、多くの兵士らが手でざんごうを掘っていたところ砲撃を受け、570人のうち500人以上が死亡したとしています。