プーチン大統領 重大犯罪で有罪の人も動員へ 法改正案に署名

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアは、殺人や強盗などの重大犯罪で有罪とされた人なども動員できるとする法改正案にプーチン大統領が署名したと発表しました。
ロシアは先月、30万人の予備役の動員を完了したと発表したばかりですが、将来の動員に向けた準備を進めているとの見方も出ています。

ウクライナに軍事侵攻したロシアは、ウクライナ東部や南部への攻撃を続けていて、東部ドネツク州の知事は6日、1人が死亡し、3人がけがをしたと述べました。

これに対して、ウクライナ軍は各地で反転攻勢を続けていて、このうち南部ヘルソン州では、中心都市ヘルソンに向けて部隊を進めているとみられ、ロシア側が部隊の撤退を示唆する動きをみせています。

こうした中、ロシア政府は4日、殺人や強盗などの重大犯罪で有罪とされた人なども、今後は動員できるとする法改正案に、プーチン大統領が署名したと発表しました。

これまでは、こうした重大犯罪で有罪判決を受けた人は、原則として動員が禁じられていましたが、法改正によってこうした制約がなくなるということです。

ロシアのプーチン政権は、先月下旬、30万人の予備役の動員を完了したと発表し「追加の動員は計画されていない」としていました。

しかし、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は4日、部分的な動員では十分な戦力を生み出せなかったとして「秘密裏に動員を継続する条件を整えているようだ」と指摘していて、ロシア側が、将来の動員に向けた準備を進めているとの見方を示しています。