【詳しく】トランプ氏?それとも?2024アメリカ大統領選を展望

トランプ前大統領は2年後のアメリカ大統領選挙に立候補するのか?

今月8日に迫った中間選挙は、まさに次の大統領選挙を見据えた戦いとなっています。
候補者の応援に駆けつけ存在感を印象づけるトランプ氏に対し、共和党にはトランプ氏以外に人気を集める人物も。
2年後を見据えたせめぎ合い、現地から詳しく解説します。

2号店オープン!トランプショップ

アメリカ・ペンシルベニアにあるトランプ前大統領の応援グッズを販売している専門店。
2020年の大統領選挙のあとも引き続き売り上げは好調で、3か月前に2号店をオープンしました。
週末には40人近くの客が訪れるというこの店。
トランプ氏をモチーフにしたTシャツや帽子、マグカップが売れ筋です。

その中でも人気を集めているのが、こちら。
「トランプ2024」と書かれた、2年後の大統領選挙に向けたグッズです。

トランプ氏を応援するマグネットを買いに来た男性
「中間選挙は共和党の大勝利だと予想している。トランプ氏の立候補表明は年明けではないか。レーガン氏に匹敵する大統領だ」
店のオーナー
「2020年以降もトランプ人気は衰えずむしろ上昇している。この2年間の政治はひどいと思っている多くの人がカムバックを望んでいる」

次の大統領選候補はトランプ氏で決まり?

共和党内では根強い人気のあるトランプ氏。
一方で、去年1月、トランプ氏の支持者らが連邦議会に乱入した事件もあって、トランプ氏への支持には陰りが見えているという指摘も出ています。

2024年の次の大統領選挙の共和党の候補者にはトランプ氏だけでなく複数の候補者の名前が取り沙汰されています。

トランプ氏が再び立候補するかどうかまだ表明していない中、トランプ氏に代わる候補として注目を集めている新たな人物がいます。

“ミニ・トランプ”? デサンティス氏とは

南部フロリダ州のデサンティス知事です。
今回の中間選挙で2期目を目指しています。
強硬で保守的な政策で“ミニ・トランプ”とも言われてきたデサンティス氏。
中間選挙では、接戦州の共和党候補の応援で各地を飛び回り、次世代の保守政治家として全米に人気が広がっています。

一躍、知名度を広げたのが新型コロナウイルスへの対応でした。
感染拡大が続く中、経済回復を目指して州内の規制をいち早く解除。
その後も学校でのマスク着用の義務化にも反対するなど、注目を集めました。

移民対策で驚きの手段に

さらにことし9月。
法的な手続きを踏まずにアメリカに入国を試みる人が急増する中、南部の州が過度な負担を負っているとして、入国者を飛行機に乗せてリベラル色の強い州に事前の調整なく送ったのです。

デサンティス氏
「国境の町が毎日対処していることのほんの一部でも、自分たちの家の前に持ち込まれたとたん、突然、大騒ぎして憤慨している。彼らの美徳が詐欺であることを示している」。

多くの批判も呼んだこの行動も、支持者からは移民問題に目を向けるきっかけを作ったとして支持を集めました。

トランプ氏とデサンティス氏、どっちが人気?

先月行われた世論調査では、共和党の大統領候補としてトランプ氏を支持すると回答した人は49%。
続く2位がデサンティス氏で26%でした。
一部の州ではデサンティス氏がトランプ氏を上回る調査結果も出ています。

デサンティス氏本人は次の大統領選挙への対応について口を閉ざしていますが、トランプ氏から離れた共和党支持者を取り込み、支持を広げています。

「デサンティス氏は大きな分断生まない」

オハイオ州に住むリチャード・ベクトールさん(31)
過去2回の大統領選挙ではトランプ氏に投票しましたが、トランプ氏の存在が今も対立をもたらし続けている現状を懸念。
デサンティス氏を支持するようになりました。
ベクトールさん
「トランプ氏が実行した多くの政策が好きだが、彼はあまりにも対立を呼び起こしている。デサンティス氏はトランプ氏よりも、大きな分断は生まないと思う。私は2人の中だったらデサンティス氏を支持する」

デサンティス氏はかつて、トランプ氏の盟友とも言われましたが、今回の中間選挙ではトランプ氏に支援を求めず、距離をとる動きを見せています。

トランプ氏も、デサンティス氏の動きを警戒していると伝えられ、2年後を見据えたせめぎ合いが早くも始まっています。

2024年 大統領選挙の展望は?

2年後の大統領選挙はどうなるのか。

現地で取材をしている油井キャスターと、ワシントン支局でホワイトハウスを担当している久枝記者が解説します。

バイデン大統領は出るの?出ないの?

▽油井キャスター
与党・民主党の場合、本来は現職の大統領が再選を目指せば党内が結束するのが通例です。
しかし、バイデン大統領の場合、史上最高齢ということもあって、次の選挙に立候補するのかどうか焦点の1つとなっています。

私が取材したバイデン大統領に近い関係者は「中間選挙で民主党が大敗すれば、バイデン大統領は立候補しない可能性が高い。ジル夫人がどう助言するかが鍵だ」と話していました。

▽久枝記者
まずは今回の中間選挙の結果が、立候補の判断に影響を与えることになると思います。

ひとつ興味深いデータがあります。
9月にABCニュースなどが行った世論調査では、次の大統領選挙の候補者として「バイデン氏以外」と答えた人が民主党支持者の中でも56%と半数を超えているんです。
背景には、バイデン大統領がまもなく80歳と大統領としては高齢であると不安視する声が多いこともありそうです。

ただ民主党内にバイデン大統領に代わる有力な候補者がいるかというと難しいところです。
本来であれば、ハリス副大統領が最も有力な後継者になるはずですが、支持率が低迷していて、ハリス氏を推す声はあまり聞かれません。

また対する共和党のトランプ氏が再び立候補するかどうかも影響しそうです。

バイデン大統領は先月、CNNテレビに対するインタビューの中で、中間選挙が終わるまでは次の大統領選について決断しないと言いながらも「トランプ氏には再び勝てる」と自信を見せています。

共和党内でいまだに影響力を持つトランプ氏について「民主主義を脅威にさらしている」と激しく非難していて、トランプ氏の動向もにらみながら立候補について決めるものと思われます。

中間選挙の結果が与える影響は?

▽久枝記者
結果次第ではアメリカ政治が停滞し、国際秩序にも影響を与えかねない重要な節目にあると思います。

仮に民主党が上下両院のいずれかでも議席を減らし主導権を奪われれば、大統領の政党と議会の多数派の政党が異なるいわゆるねじれの状態になり政策の遂行が難しくなるからです。

歴代政権を見てみると、実はねじれの状態というのは決して珍しくありません。

しかし近年アメリカの政治や社会の分断は加速していて、与野党の調整は難しくなっているのが実情です。

外交を巡っては、すでに共和党の指導部からウクライナへの支援のあり方を見直すとも受け止められる発言が出ていて、共和党が多数派を奪還した場合の議論の行方も注目されます。

日本はアメリカとどう付き合っていく?

▽油井キャスター
アメリカは、日本の唯一の同盟国です。

しかしそのアメリカの政治は、今、揺れ動いています。

民主党と共和党の分断はかつてなく深まり、敵意さえ生じる事態です。
民主主義の象徴とも言われる連邦議会が去年、襲われた事件は記憶に新しいと思います。
かつてのアメリカ政治は、人工妊娠中絶や銃規制など内政の問題では激しく対立しても、外交や安全保障の問題では超党派で結束するとも言われてきました。
そして、それが同盟国日本にも安心感を与えてきました。

しかし、今やアメリカ政治の分断は、外交・安全保障の問題でも対立を招くほど深刻さが増してきています。

その一方で、隣国に軍事侵攻したロシア、強権化する中国など日本を取り巻く安全保障環境は悪化しています。

中間選挙後も政治的な混迷が続くと見られるアメリカとどのように付き合っていくのか、大きな課題が日本に突きつけられているように思えます。