IAEA “ウクライナの原子力関連施設 申告ない核関連活動なし”

ロシアが放射性物質をまき散らすいわゆる「汚い爆弾」をウクライナ側が使用する可能性について一方的に懸念を表明する中、IAEA=国際原子力機関は3日、ウクライナの原子力関連施設の査察を行い、申告されていない核関連の活動や物質の形跡は見つからなかったと発表しました。

IAEAはウクライナ側の要請に基づいて、ロシア側が汚い爆弾の製造に関わっていると主張していたキーウにある核関連の研究所など3か所の施設に査察官を派遣し、検証作業を進めていました。

その結果、IAEAは3日、申告されていない核関連の活動や物質の形跡は見つからなかったと明らかにしました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は3日動画を公開し「結論は明白だ。査察官たちは、ロシア側が指摘したすべての施設を完全な自由のもとで査察した」とウクライナの潔白を訴えました。

そのうえで「ウクライナは『汚い爆弾』を製造したこともないし、現在もしていないという確たる事実がある。汚いのは、ウクライナと世界に恐怖をもたらしているロシアの上層部だ」と述べ、ロシア側を非難しました。

またゼレンスキー大統領はロシアの攻撃により、多くのエネルギー施設が被害を受け、3日の夜時点でキーウ州やドニプロペトロウシク州など10の地域で合わせておよそ450万人が電気を使用できない状態にあることを明らかにしました。

そして「ロシアは戦場でウクライナに勝利することができないので、人々の生活を壊そうとしている。ロシアのエネルギーテロに耐え抜くことは、いま国家の重要な課題の一つだ」と述べ、国民に対して引き続き節電に協力するよう呼びかけました。