昨年度 国内企業など申告の所得総額79兆4000億円余 過去最高に

昨年度、国内の企業などが申告した所得の総額は79兆4000億円余りで、前の年度より9兆円余り増えて過去最高だったことが国税庁のまとめで分かりました。

国税庁によりますと、昨年度、企業など306万余りの法人が税務申告した所得の総額は、前の年度を9兆3489億円、率にして13%上回り、79兆4790億円でした。

これは統計を取り始めた昭和42年度以降最高で、37兆円余りだった平成23年度と比較し、10年で2倍以上増加しています。

法人税の申告額の総額は前の年度を1兆8012億円上回り、13兆9232億円でした。

申告所得を業種別でみますと、いずれも前の年度と比べて、
▽製造業が31%増えて24兆7162億円、
▽卸売業が25%増えて7兆958億円、
▽料理・旅館・飲食店業が98%増えて6676億円などと、
ほとんどの業種で伸びています。

これについて、SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「外需が堅調な製造業に加え、コロナでダメージを受けた業種が持ち直してきている。一方で、所得が増えたのは売り上げの伸びだけではなく、人件費などを抑えるコストカットの影響もある。経済全体で好循環を生み出すには企業側がもう少し雇用や賃金などに資金を回していくことが必要なのではないか」と話していました。