ロシア 30万人の予備役の動員完了を発表 ウクライナ軍事侵攻

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアのプーチン政権は、30万人の予備役の動員が完了したと発表しました。
政権側は「追加の動員は計画されていない」としていて、動員をめぐり反対の声も上がる中、国民の動揺を抑えたい思惑もあるとみられます。

ロシアのプーチン大統領は28日、モスクワ郊外の公邸でショイグ国防相から先月、政権が方針を示した30万人の予備役の動員が完了したと報告を受けました。

ショイグ国防相は、30万人のうち8万2000人がすでにウクライナ侵攻の任務に当たり、21万8000人が現在、訓練を受けているとしています。

そのうえで、ショイグ国防相は「追加の動員は計画されていない」と報告しました。

予備役の動員をめぐっては、ロシア各地で反対デモが起きたほか、国外への市民の脱出が相次ぎ、プーチン政権としてはこれ以上の動員の計画はないと強調することで社会に広がる動揺を抑えたい思惑もあるとみられます。

こうした中、プーチン政権は今月、一方的な併合に踏み切ったウクライナの4つの州に戒厳令を出すとともに、国内では事実上の戦時体制に移行できる対応をとっていて、さらなる長期戦を見据えて巻き返しを図ろうとしています。

ウクライナ南部の中心都市ヘルソンの周辺では、ロシア軍が部隊を増強する動きが見られるという指摘も出ていて、ウクライナ側が奪還に向けて反撃を強める中南部での戦闘が激しくなることが懸念されます。