【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(28日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる28日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ南部での戦闘激化を懸念

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシア軍をめぐって、南部ヘルソン州の中心都市で部隊を増強する動きが見られるという指摘が出ています。

ウクライナ側が奪還に向けて反撃を強める中防衛態勢を築いているとみられ、南部での戦闘が激しくなることが懸念されます。

ロシアが支配するウクライナ南部のヘルソン州ではウクライナ軍が領土の奪還に向けて中心都市ヘルソンに部隊を進めているとみられ、州の西部ではロシア軍が撤退を始めたと伝えられているほか、ロシア側がヘルソンの住民を東側へ強制的に移住させています。

こうした中、戦況を分析しているイギリス国防省は28日、ロシアがヘルソンの周辺で部隊を増強させているとみられると指摘しました。

防衛態勢を築いているという見方を示したうえで、増強している部隊には予備役から動員された兵士も含まれていると指摘しています。

これに関連してヘルソン州にいる親ロシア派勢力の幹部は国営のロシア通信に対して、ヘルソン市内の建物の1階部分を土のうで補強するなどウクライナ軍の突破に備えていると主張しています。

ポーランド副外相「冬に大勢の人が避難する可能性も」

ウクライナから避難した人を多く受け入れているポーランドのプシダッチ副外相は、ロシアがウクライナの発電所などを繰り返し攻撃していることについて、市民の暮らしを標的にした許しがたい行為だと厳しく非難したうえで「冬の間に大勢の人が避難する可能性がある」と述べて強い危機感を示しました。

ウクライナの西側と国境を接するポーランドはロシアによる軍事侵攻でウクライナから避難した人を最も多く受け入れています。

来日したポーランドのプシダッチ副外相は、28日都内でNHKの取材に応じ、ウクライナから避難した人が現在も国内に少なくともおよそ300万人、暮らしていることを明らかにしました。

そして「住宅の支援や、教育のインフラなどを整えるのは簡単ではなく、資金も十分ではない」と述べ、受け入れを続けるために日本からの経済的な支援に期待を示しました。

また、プシダッチ副外相はロシアがウクライナの発電所や暖房設備といったエネルギー関連施設を繰り返し攻撃していることについて、市民の暮らしを標的にした許しがたい行為だと厳しく非難しました。

そのうえで「ロシアの攻撃でウクライナの市民が支援なしでこの冬を乗り越えるのは非常に難しい。大勢の人が避難する可能性がある」と述べて、強い危機感を示し、攻撃を止めるためにもロシアに対して圧力をかけ続けるよう訴えました。

国連安保理で緊急会合 欧米各国ロシアを厳しく非難

国連の安全保障理事会ではロシアの要請を受け3日連続で緊急の会合が開かれ、ロシアはウクライナがアメリカの支援を受けて生物兵器を開発していると主張しました。

これに対して欧米各国は事実無根だと反発し、ロシアが偽の情報を広めるために会合の開催を要請していると厳しく非難しました。

ロシアはこれまで、ウクライナがアメリカの支援を受けて生物兵器を開発していると繰り返し主張していて、27日には、ロシアの要請に基づき安保理の緊急会合が開かれました。

この中でロシアのネベンジャ国連大使は新たな証拠が見つかったと主張し「ロシアの安全に対する直接的な脅威だ」と述べました。

これに対して国連軍縮局の担当者が「そうした開発計画は把握していない」と報告したほか、アメリカとウクライナも事実無根だと反発し、ほかの欧米各国も証拠がないとロシアを非難しました。

IAEA事務局長「ウクライナ施設の査察 数日中に開始」

IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は27日、国連の安全保障理事会の非公開の会合に出席後、記者団の取材に応じ、「汚い爆弾」の製造に関わっているとロシアが主張するウクライナの施設2か所に査察官を派遣し「数日中に査察を始める」と述べました。

査察についてはウクライナ側が、ロシア側の主張に根拠がないことを示すためとして、IAEAに求めていました。

今回の査察では施設で核燃料から放射性物質を取り出した形跡があるかなどを調べると説明し、数日で結論を出すと明らかにしました。

中央アジアとEU 初の首脳級会談 経済で連携強めるねらいか

ロシアが勢力圏とみなす中央アジアの5か国とEU=ヨーロッパ連合が初めて首脳級の会談を行いました。ロシアがウクライナへの侵攻を続ける中、一部の国がロシアと一線を画す姿勢を示す中央アジアは、EUと経済面での連携を強めるねらいがあるとみられます。

カザフスタン大統領府は27日、首都アスタナで中央アジア5か国とEUが初めて首脳級の会談を行い、それぞれの国の主権や領土の一体性を尊重する原則を支持することで一致したと発表しました。
ロシアが勢力圏とみなす中央アジアをめぐっては、このところカザフスタンなど一部の国がロシアと一線を画す姿勢を示していて、EUと貿易などでの連携を強めるねらいがあるとみられます。

一方、EUとしても、エネルギーについてロシアに依存し、現在、対応を迫られていることを教訓に、中国に依存している資源の調達先を多角化しようと中央アジアとの関係を強化したい考えです。

キーウ州知事 住民に節電呼びかけ 予期せぬ緊急停電の実施も

連日のロシアによるエネルギー関連施設への攻撃を受けてキーウ州のオレクシー・クレバ知事はSNSにビデオメッセージを投稿し「多くの重要施設が稼働できない状態に追い込まれているため、われわれは無期限の緊急停電に備える必要がある。電力消費は控えるよう改めてお願いしたい」と住民たちに節電を続けるよう呼びかけました。

キーウ州の電力会社などによりますとキーウ市とその周辺では現在、電力が30%不足していて、今後は予期せぬ緊急停電の実施も避けられないとしています。

IEA “ウクライナ侵攻で再生可能エネルギーへの移行 加速化”

IEA=国際エネルギー機関が年に一度まとめている「世界エネルギー見通し」によりますと、ウクライナ侵攻のあとのエネルギー危機を受けて、各国の政府がロシア産の天然ガスや石油の調達をやめたり、再生可能エネルギーの導入を進めたりする結果、すべての化石燃料の需要は2030年ごろに産業革命以来初めて頭打ちになると予測しています。

また、世界最大の輸出国だったロシアのガスや石油の供給は2030年には半減するとしています。

一方、各国政府が打ち出した政策や企業の動きなどを試算すると、世界の再生可能エネルギーへの投資額は2030年までに年間2兆ドル、日本円にしておよそ290兆円にのぼり現在の水準から50%以上増加すると試算しています。(1ドル=約145円で計算)

パリにあるIEAの本部で記者会見したビロル事務局長は「私たちはエネルギーの歴史のなかで転換点を迎えている」と述べ、ロシアの侵攻によるエネルギー危機は化石燃料からクリーンエネルギーへの移行を間違いなく加速させていると強調しました。

中国・ロシア外相 電話会談で友好関係を確認

中国共産党大会が終わり、3期目の習近平指導部が発足してから初めてとなる中国の王毅外相とロシアのラブロフ外相の電話会談が27日行われました。

中国外務省によりますと、王外相は会談で、今月開かれた共産党大会で習近平国家主席が党のトップに選ばれたことを報告するとともに、プーチン大統領が習主席に祝電を送ったことに謝意を示しました。

そのうえで「中国は激動の世界にさらなる安定をもたらすため、両国の関係と各分野の協力をより高い水準に推進することを望んでいる」と述べ、友好関係を確認したということです。

一方、ロシア外務省は声明で「双方は地政学的にも不安定で混乱した中でも関係が引き続き発展している」としています。

またラブロフ外相は「ウクライナ周辺の情勢についてロシアの立場を支持する中国に感謝する」と述べたとしていてウクライナ情勢をめぐりロシアが欧米と対立を深める中、中国がロシアを支持していると主張しました。

プーチン氏 “核兵器使用の可能性 積極的に発言したことない”

ロシアのプーチン大統領は27日、首都モスクワで開かれている国際情勢をテーマにした会議で演説し「核兵器が存在するかぎり、その使用の危険性は常にある」と述べました。

一方で「ロシアは、核兵器を使用する可能性について、積極的に発言したことなどない」と述べました。

また、放射性物質をまき散らすいわゆる「汚い爆弾」についてプーチン大統領は「政治的にも軍事的にも使う意味がない」と主張しました。

一方、プーチン大統領は来月インドネシアで開かれるG20の首脳会議にみずからが対面で出席するかどうかについて「ロシアからは間違いなく高いレベルの関係者が出席する。私も行くかもしれない。考えてみる」と述べただけで明言しませんでした。