コロナの影響受けた地域を「出前花火」で盛り上げ 埼玉 皆野町

祭りやイベントの中止など新型コロナの影響を受けた地域を盛り上げようと、埼玉県皆野町で花火師が各地に出向いて花火を打ち上げる「出前花火」という取り組みが行われました。

埼玉県西部の皆野町では、去年とおととしは地域の祭りや行事の多くが中止になり、ことしも町内最大の祭り「秩父音頭まつり」が3年連続で中止になるなど、新型コロナの影響を受けてきました。

そうした地域を盛り上げようと、皆野町が企画したのが「出前花火」という取り組みです。

10月の週末ごとに、町内6つの地区に花火師が出向いて花火を打ち上げます。

企画した皆野町産業観光課の黒沢和弘さんは「少しでも地域を盛り上げて住民にも元気になってもらおうと考えました」と話していました。

今月22日、金沢地区で行われた出前花火は、地域の住民およそ30人が住宅の庭に集まって見物しました。

花火は午後8時からスタートし、およそ3分間で70発余りが打ち上げられ、住民たちはコロナ禍からの回復に思いをはせながら、美しい花火を楽しんでいました。

参加した人たちは「地域で集まる機会が減ってしまったけれど、そのきっかけを作ってもらってよかった」とか「来年はコロナが終息してもっと集まることができるといいなと思います」などと話していました。

そして、最後となる今月23日は、多くの人に見てもらえるように町の中心部を見下ろす美の山の中腹で花火が打ち上げられ、静まり返った夜空をおよそ3分間、彩っていました。

黒沢さんは「下を向いてばかりではなく、花火を見ている間は地域の人たちに上を向いてもらえたと思います。イベントが再開できるようになった時に、また盛大に花火を上げることにもつながると思います」と話していました。