ロシア 軍の物資調達する調整会議発足 長期戦見据え体制構築へ

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアは、軍などの部隊に必要な物資を調達するための政府の調整会議を発足させました。
侵攻開始から8か月がすぎる中、さらなる長期戦を見据えた体制を築こうとしています。

ロシア軍は今月中旬から、ウクライナ各地にミサイルや無人機による攻撃を繰り返していて、ウクライナでは、ほかの地域での避難生活を余儀なくされる国内避難民が一層増えています。

一方、ロシアが一方的な併合に踏み切った南部ヘルソン州では、ウクライナ軍が中心都市ヘルソンの奪還に向けて反転攻勢を強めています。

こうした中、ロシア政府は、軍などの部隊に必要な物資を調達するための調整会議を発足させ、24日、最初の会合がオンライン形式で開かれました。

この調整会議は、今月19日、プーチン大統領が一方的な併合に踏み切ったウクライナ東部と南部の4つの州を対象に戒厳令を導入した際に立ち上げを指示したもので、ミシュスチン首相をはじめ、国防相や経済担当の閣僚、それに、治安機関のトップやモスクワ市長などで構成されています。

ミシュスチン首相は会合で、「大統領が設定した目標を達成するために必要な資源を軍に提供する。前線や後方部隊、訓練場まで、すべての兵士に短時間で提供しなければならない」と述べました。

調整会議は、地方の行政機関や当局に指示を出しながら、軍などの部隊が必要とする、武器や装備、通信機器から医薬品、食料まで幅広く調達する任務を負うほか、必要な労働力も提供していくということです。

ウクライナへの軍事侵攻を開始して8か月がすぎる中、ロシアは、さらなる長期戦を見据えた体制を築こうとしています。
一方、ロシア国防省は24日、軍の制服組トップのゲラシモフ参謀総長が、アメリカ軍の制服組トップ、ミリー統合参謀本部議長、イギリス軍のトップ、ラダキン参謀長とそれぞれ電話で会談したと発表しました。

この中で、ゲラシモフ氏は、ウクライナ側が放射性物質をまき散らす爆弾、いわゆる「汚い爆弾」を使用する可能性について、根拠を示さないまま、一方的に懸念を表明したとしています。

ロシア側は、ショイグ国防相が23日、同様の主張を展開したほか、ラブロフ外相は24日、国連安全保障理事会で、この問題を取り上げる考えを示していますが、ウクライナ側はロシア側による情報のねつ造だと強く反発しています。