水際対策の緩和 韓国で往来の回復に期待 BTSのコンサートも

新型コロナウイルスの水際対策の緩和に伴って各国で外国からの旅行客が徐々に増加しています。韓国では、15日人気グループ・BTSによるコンサートが開かれ、日本からもファンが訪れています。また、羽田空港とソウル近郊のキンポ(金浦)空港を結ぶ路線が今月末には現在の2倍に増便される予定で、コロナ前のような往来の回復に期待が集まっています。

韓国の保健当局によりますと、14日確認された新型コロナウイルスの新規感染者は2万2844人で1週間前と比べてやや増えましたが、韓国政府の対策本部の幹部は14日開かれた会議で感染は減少傾向にあるという見方を示しました。

こうした中、韓国では今月1日から、入国から24時間以内にPCR検査を受ける義務が撤廃され、入国者に対する防疫措置はすべてなくなりました。

15日、ソウル近郊のキンポ空港では羽田空港から到着した旅行客は到着からおおむね30分程度で入国手続きを終えていました。

3年ぶりに韓国に来たという埼玉県の女性は「入国手続きが不安でしたが問題ありませんでした。ソウルでは服などの買い物を楽しみたいです」と話していました。

日本から韓国への旅行では、今月31日まではビザなしでの渡航が認められているほか、今月30日からは羽田空港とキンポ空港の路線が現在の2倍の週56往復に増便される予定です。

韓国観光公社は「羽田・キンポ便の増便は訪問客が増えるきっかけになる。韓国政府には日本からのビザなし渡航の延長を早く発表してもらいたい」と話しています。

BTSコンサート 国内外から多くのファンが訪れる

韓国第2の都市・プサン(釜山)では、人気グループ・BTSによるコンサートが開かれ、国内外から多くのファンが訪れています。

このコンサートは、プサン市が誘致している2030年の万博の実現を祈願して開かれ、入場は無料で、午後6時すぎから市内のスタジアムで始まりました。

開場前のスタジアムでは、グループのシンボルカラーの紫色の洋服やグッズを身につけるなどしたファンたちが入場を待つ長い列を作っていました。

世界的な人気を誇るBTSのコンサートだけあって、国外からのファンも多く見られ、東京から来た女性は「コンサートに来るのは初めてなので、緊張とうれしさでいっぱいです。韓国に来るのは2度目ですが、入国の手続きはスムーズで、旅行がしやすくなりました」と話していました。

BTSの所属事務所によりますと新型コロナ対策として観客にマスクの着用を求めたうえでスタジアムでは、およそ5万人がコンサートを楽しむということで、市内の港などではコンサートの様子が同時中継されるパブリック・ビューイングも行われます。

また、夜には市のランドマークである「プサンタワー」や公共施設が紫色にライトアップされるなど、街全体でムードを盛り上げています。

日本のインフルエンサー招きSNSでの発信促す動きも

韓国南部のチェジュ(済州)島では、日本人旅行客の回復を図ろうと観光業界が日本のインフルエンサー100人余りを招き、SNSでの発信を促しました。

先月末、チェジュ島を訪問したのは関西地方を中心に活動するインフルエンサーです。

一行は、チェジュ市(済州市)内の大型ホテルに到着したあとホテル内の各種施設やスイートルームを見学し、次々と写真を撮ってはインスタグラムやツイッターなどで公開していました。

ふだんはユーチューブで韓国の情報を発信しているという女性は「皆さん韓国に行きたいという欲望がたまりにたまっていると思うので、一足先に来てチェジュ島の状況をお届けしようと思います」と話していました。

大型ホテルでマーケティングを担当しているホ・ヨンジン(許瑛珍)さんは「2年ぶりに日本からのお客様を迎えられてとてもうれしいです。チェジュで経験できるすべてのことをここで体験できるよう準備しています」と話していました。