ゼレンスキー大統領 演説で全領土の奪還目指す考えを強調

ウクライナのゼレンスキー大統領は「祖国防衛者の日」にあたる14日に演説を行い、改めて、すべての領土の奪還を目指す考えを強調しました。アメリカは7億2500万ドルの追加の軍事支援を行うと発表していて、ウクライナは欧米からの支援を受けながら東部や南部での反転攻勢を進める考えです。

ウクライナ政府は13日、ウクライナ軍による反転攻勢の結果、これまでに東部と南部で合わせて627の集落をロシア軍から奪還したと発表し、戦果を強調しました。

発表によりますと、ウクライナ軍が解放した集落の数は、東部のハルキウ州で502、ドネツク州で43、ルハンシク州で7、そして南部のヘルソン州で75にのぼるということです。

ウクライナのゼレンスキー大統領は「祖国防衛者の日」にあたる14日、首都キーウで行われた記念の式典に出席し、ロシアによる軍事侵攻で命を落とした兵士の功績をたたえ黙とうをささげました。

式典での演説でゼレンスキー大統領は「侵略者から北部を解放した。いま、東部全体を解放しようとしている。今後、南部のすべての都市にもウクライナの旗を取り戻し、クリミアを取り返し、領土の一体性を回復する」と述べ、改めて、すべての領土の奪還を目指す考えを強調しました。
こうした中、アメリカのバイデン政権は14日、ウクライナに対して7億2500万ドル、日本円にしておよそ1070億円相当の追加の軍事支援を行うと発表しました。

具体的には、高機動ロケット砲システム=ハイマースに使われる追加のロケット弾や砲弾のほか、200台以上の軍用車両などが含まれるということです。

アメリカ国防総省は、声明で「アメリカはウクライナに前例のない安全保障支援を行っており、今後も同盟国などと協力してウクライナが必要とする支援を確実に受けられるようにしていく」としていて、ウクライナは欧米からの軍事支援を受けながら東部や南部での反転攻勢を進める考えです。