ヤクルト CS第3戦で阪神に勝利 2年連続で日本シリーズ進出

プロ野球、セ・リーグのクライマックスシリーズファイナルステージ第3戦でヤクルトが阪神に6対3で逆転勝ちしました。

ヤクルトは3連勝で優勝したチームに与えられるアドバンテージの1勝を含めて対戦成績を4勝0敗と、2年連続の日本シリーズ進出を決めました。

セ・リーグのクライマックスシリーズファイナルステージの第3戦はリーグ優勝を果たしたヤクルトが日本シリーズ進出に王手をかけて、今夜も神宮球場で阪神と対戦しました。

試合は、先発の高橋奎二投手が、150キロ台の速球を軸に阪神打線を5回まで4安打3失点にまとめました。

打線は3点を追う7回、ここまで好投の阪神の先発 青柳晃洋投手をツーアウト満塁と攻め、2番の山崎晃大朗選手のファーストへの当たりを阪神のマルテ選手がセカンドへ悪送球をし、この間に、ランナー2人がかえって1点差としました。

さらにこの回、ふたたびツーアウト満塁として4番の村上宗隆選手の内野安打に相手のエラーが重なって3点が入り、この回、一挙5点を奪って5対3と逆転し、8回にも1点を加えました。

ヤクルトは8回に清水昇投手、9回に抑えのマクガフ投手が無失点でリードを守って6対3で勝ちました。

ヤクルトは3連勝で優勝したチームに与えられるアドバンテージの1勝を含めて対戦成績を4勝0敗とし、2年連続の日本シリーズ進出を決めました。

阪神は大山悠輔選手の2点タイムリーなどで5回までに3対0とリードしましたが、ミスで逆転されました。

MVPのヤクルト オスナ「全員で団結して優勝したい」

セ・リーグのクライマックスシリーズは、日本シリーズ進出を果たしたヤクルトのオスナ選手がMVP=最優秀選手に選ばれました。

オスナ選手は3試合すべてに5番で先発出場し、12打数3安打5打点の成績を残しました。第1戦では1回に先制のスリーランホームランを打ち、第2戦も5回にリードを広げるツーランホームランを打つ活躍を見せました。

オスナ選手は「とにかく毎日、チームの勝利につなげようと意識している。結果につながったのはとてもうれしい」と心境を語りました。

そのうえで「甘いボールを待ち、強く振るというシンプルなアプローチを心がけている。とにかく楽しんでやっていきたい」と好調の理由も説明しました。

そして日本シリーズについては「ヤクルトは皆さんご存じの通り、強いチームだ。全員で団結して優勝したい」と意気込みを示しました。

ヤクルト 高津監督「みなさんのおかげで挑戦権を勝ち取れた」

2年連続の日本シリーズ進出を決めたヤクルトの高津臣吾監督はグラウンドで選手から5回胴上げされたあと、インタビューを受けました。

高津監督は「ありがとうございました。みなさんのおかげでなんとか日本シリーズへの挑戦権を勝ち取れました」とファンに感謝の気持ちを伝えました。

村上宗隆選手の内野安打に相手のミスがからんで逆転した7回の攻撃については、「なかなかチャンスもなく、連打などもなく難しかったですが、ムネがすばらしいあたりを打ってくれました。持っている男です。ナイスバッティングだったと思います」と冗談交じりに話していました。

そして2年連続の日本一に向けて、「セ・リーグのチャンピオンとなり、『ここで負けるわけにはいかない。必ず日本シリーズに出たい』と思っていました。全国のファンの皆さんと一緒に日本一をつかみ取りに行きましょう」と呼びかけました。

また試合後に行われた会見で、「選手の頑張りはもちろん、スタッフや裏方さんが勝ちに向かって頑張ってくれたことが勝ち抜けた要因だった」とシリーズ全体を振り返りました。

逆転勝ちした14日の試合については「なかなか青柳投手を打つのが難しかった。ふだんから『なんとかいい形で次にバトンを渡そう』という姿勢が、最後の結果につながった」と話していました。

そして日本シリーズに向けて「セ・リーグのチャンピオンとして、プロ野球ファンに『いいシリーズだった』と言ってもらえるような試合をして日本一になって締めくくりたい」と決意を述べました。

ヤクルト 村上「いいヒットではなかったがこれが野球」

ヤクルトの村上宗隆選手は、試合後に行われた会見で「今はほっとしている。よかった」と率直に心境を語りました。

7回、満塁の場面でみずからの内野安打が絡んで逆転したことについては「前のバッターたちが必死に粘っていた。その気持ちを背負って打席に立った。いいヒットではなかったがこれが野球。満足しています」と話していました。

そして2年連続の日本一に向けて「短期決戦なのでどれだけコンディションを合わせられるかだと思う。必死に野球を楽しみながら頑張りたい」と意気込みを述べました。

阪神 矢野監督「感謝しかない」

今シーズン限りで退任する阪神の矢野燿大監督は「勝てるチャンスがあっただけに悔しいし、野球の難しさを経験させてもらえた」と振り返りました。

7回に守備の乱れもあって5点を奪われたことについては「ギリギリのプレーだったがあれをアウトにしていくチームになっていかないとだめだ。みんながしっかり受け止めながら、1人1人が成長していくしかないと思う」と話していました。

そのうえで「この選手たちとやれたことは感謝しかない」と話していました。

ヤクルト 盤石の戦いで圧倒

3連勝でファイナルステージを突破し、2年連続となる日本シリーズ進出を決めたヤクルト。

レギュラーシーズン3位からファーストステージを勝ち上がった阪神の勢いを封じ、まさにリーグ王者という盤石の戦いを見せました。

ヤクルトは、2位に8ゲームの大差をつけ、セ・リーグ連覇を果たしました。

しかし、レギュラーシーズン終盤は勢いに陰りが見られ、9月と10月の25試合の成績は11勝12敗2引き分けと負け越し、このうち先発ピッチャーに勝ち星がついたのは6試合だけ。

先発がなかなか役割を果たせない試合が目立ちました。

こうした中、高津臣吾監督は「選手の心身を整え、100%で戦えるように準備する」とレギュラーシーズン終了翌日からファイナルステージ初戦前日までの8日間のうち、3日を休養に充て、シーズン中と同様、選手のコンディション管理を徹底しました。

こうした中、高津監督から投手陣のキーマンに指名され、第1戦で先発した小川泰弘投手は「主導権を握れるよう最初から飛ばして投げた」と力強いストレートを軸に阪神打線を封じ、7回途中1失点。

第2戦の先発、サイスニード投手も先制点を奪われても粘り強いピッチングで打線の援護を待ち、6回途中1失点と2人とも先発の役割を果たし、勝ち投手となり、シリーズの流れを作りました。

一方、野手陣は、12球団トップの得点を誇る切れ目のない強力打線がしっかり機能しました。

第1戦は3番・山田哲人選手と4番・村上宗隆選手に対して相手バッテリーが慎重になる中、5番・オスナ選手が先制のスリーランホームラン。

さらに7回には7番・サンタナ選手がツーランを打つなど、中軸に頼らず得点を奪えるヤクルト打線の強みを発揮しました。

そして第2戦の主役はなんといっても村上選手でした。

レギュラーシーズン最後の試合で日本選手最多となる56本目のホームランを打ち、令和初の三冠王に輝いたものの9月と10月に出場した24試合の打率は2割2分1厘と終盤は深刻な打撃不振に苦しみました。

短期決戦での状態が心配される中、第1戦はノーヒットに終わり、迎えた第2戦。

村上選手は阪神の先発、藤浪晋太郎投手が投じたアウトコース低めいっぱいの154キロのストレートを捉え、打球はレフトスタンドへ。

強い逆風が吹く中でも本人は「行ったな」と確信する逆転のツーランホームランでした。

ここぞという場面でのホームラン。

周囲の不安を吹き飛ばすと、打線が勢いに乗り21歳の8番・長岡秀樹選手とオスナ選手にもホームランが出て2連勝。

そして第3戦は中盤まで0対3と苦しい展開でしたが7回、粘り強い攻撃で相手のミスも誘い、一気に5点を奪って逆転勝ちしました。

投打ががっちりとかみ合い、リーグ王者の力を見せ3連勝で阪神を退けたヤクルト。

2年連続の日本一に向け、最高の形でクライマックスシリーズを突破しました。

阪神 あと1本でない攻撃を露呈

ヤクルトに3連敗し、クライマックスシリーズ敗退となった阪神。

シーズンを通して課題だったチャンスであと1本が出ない攻撃がファイナルステージでも露呈し、流れをつかめませんでした。

阪神は今シーズン、投手陣はリーグトップの防御率をマークしましたが、ここぞの場面であと1本が出ない攻撃が目立ち、得点数、チーム打率ともにリーグ5位、シーズンを通しての完封負けは球団記録を更新する26試合となり、攻撃力が課題でした。

DeNAとのクライマックスシリーズファーストステージは投手陣が3試合で3失点と実力を発揮し、打線も少ないチャンスを生かして接戦をものにし、勝ち上がりました。

しかし、ファイナルステージ第1戦ではヤクルトを上回る9本のヒットを打ち、5イニングで得点圏にランナーを進めながらもあと1本が出ずに1点を奪うのがやっとでした。

さらに第2戦は、今シーズンすべての試合で先発出場していた佐藤輝明選手を先発から外し、打順を入れ替えて臨みましたが、1回に1点を先制したあと、続くワンアウト一塁二塁のチャンスで、5番のマルテ選手がサードへのファウルフライ、6番の原口文仁選手はショートフライに倒れて追加点を奪えませんでした。

さらに2回と6回にはツーアウト満塁のチャンスを作りながらいずれも得点できず、この試合もヤクルトを上回る11本のヒットを打ちながら残塁は13にのぼり、3対5で逆転負けしました。

負ければ敗退となる14日の第3戦では5回までに3点を奪いましたが、頼みの綱だった投手陣が7回に守備の乱れもあって一挙5点を奪われて逆転を許し、敗れました。

今シーズン、開幕9連敗と苦しいスタートを切りながら、先発、リリーフと投手陣が踏ん張ってなんとか3位に食い込み、ファイナルステージまで進出した阪神。

しかし、得点力不足という、シーズンを通しての課題を払拭できず、リーグ優勝したヤクルトに力の差を見せつけられて今シーズンを終えました。