【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(10月6日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる6日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ゼレンスキー大統領 W杯「開催できれば象徴的なものに」

ウクライナがスペインとポルトガルとともに、2030年のワールドカップの共同開催を目指すことについて、ゼレンスキー大統領は5日に公開した動画の中で「われわれは友人のスペインとポルトガルと一緒にワールドカップの招致に乗り出した。この3か国が一緒にワールドカップを開催することができれば、象徴的なものになるだろう」と話していました。

米シンクタンク “ウクライナ軍 ルハンシク州などで優位に”

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は5日、「ウクライナ軍の反撃は東部ハルキウ州で終わらず、ルハンシク州西部でも前進している」として、ウクライナ軍がヘルソン州とルハンシク州でそれぞれ優位に立っているという見方を示しています。

英国防省 “ウクライナ軍 ヘルソン州で新たな反撃の局面に”

イギリス国防省は6日「ウクライナ軍は今月2日、ヘルソン州で新たな反撃の局面に入った。ウクライナ軍の部隊は南方へ20キロ前進した」と指摘しました。

また、ロシア軍は部隊を撤退させたいものの、政治的な命令によってとどまらざるを得ずジレンマに立たされていると分析したうえで、ロシア軍はヘルソン州に精鋭の空てい部隊の大部分をすでに派遣していて、前線を安定させたくても追加で投入できる精鋭部隊はほとんど残されていないと指摘しています。

ザポリージャ州 スタルフ知事「ミサイル7発撃ち込まれた」

ウクライナ南東部ザポリージャ州のスタルフ知事は6日、SNSの投稿で「ロシア軍からザポリージャ市にミサイル7発が撃ち込まれた」と明らかにしました。

現場の映像からは市の中心部にある5階建ての集合住宅の一部が崩れ落ち、がれきが2階ほどの高さまで積み上がった様子がわかります。

スタルフ知事はその後の投稿で、女性2人が死亡したと明らかにしたうえで「少なくとも5人ががれきの下敷きになっている。救助活動は続いている」としています。

ザポリージャ州では民間への被害が相次いでいて、先月30日には市民の乗った車の列が攻撃を受け、地元当局は30人が死亡、88人が負傷したとしています。

米メディア “ロシア思想家の娘爆死 ウクライナ関与の見方”

アメリカの有力紙のニューヨーク・タイムズは5日、プーチン大統領の外交政策に影響を与えてきたとされる思想家、アレクサンドル・ドゥーギン氏の娘でジャーナリストのダリア氏がことし8月に車の爆発で死亡した事件について、複数の当局者の話として、アメリカの情報機関はウクライナ政府の一部が爆発物による暗殺計画を許可したとみていると伝えました。

また、当局者は暗殺計画の標的が実際はドゥーギン氏だった可能性があると話しているということです。

この事件をめぐってはロシア側が犯行はウクライナの情報機関によるものだと発表したのに対し、ウクライナのポドリャク大統領府顧問は関与を否定していました。

ゼレンスキー大統領 “南部ヘルソン州で3つの集落奪還”

ウクライナのゼレンスキー大統領は、5日に公開した動画で南部ヘルソン州で3つの集落を奪還したと明らかにし「平穏で安定した暮らしが再びできるようになる」と述べ、今後もロシアからの領土の奪還を進めていく考えを示しました。

IAEA声明 グロッシ事務局長が近く訪問 双方の関係当局と協議へ

IAEAは声明を発表し、グロッシ事務局長が近くウクライナとロシアを訪問しロシアが原発を管理下に置こうとしていることや、原発周辺に安全な区域を設定することなどについて、双方の関係当局と協議する予定だとしています。

ロシアが占拠するザポリージャ原発は先月には周辺での相次ぐ砲撃で一時的に外部電源を失う事態にもなっていて協議を通じて安全性を維持できるかが焦点となります。

ルハンシク州 知事「いくつかの集落はすでにロシア軍から解放」

ことし7月にロシアが全域掌握を宣言したルハンシク州のハイダイ知事は5日、SNSに投稿した動画の中で「いくつかの集落はすでにロシア軍から解放されていて、そこではウクライナ軍が国旗を掲げている」と述べました。
ウクライナ軍は東部ドネツク州の要衝リマンの奪還に続き、東部のほかの地域や南部ヘルソン州などで反撃し、ロシアからの領土の奪還を進めていると見られます。

プーチン大統領 正当性を改めて主張

プーチン大統領は5日、教育関係者とのオンラインでの会合で、ロシア側が行った住民投票だとする活動について「納得のいくものであり、透明性もあり、疑問の余地がない」と正当性を改めて主張しました。
そして、一方的に併合したウクライナの地域の学校にロシア語やロシアの歴史教育などを導入すると強調し、支配の既成事実化を加速させています。

プーチン大統領の最側近「実質はNATOとの戦い」

ロシアのプーチン大統領の最側近の1人で、安全保障会議書記のパトルシェフ氏は5日、ロシアが8年前に一方的に併合したクリミアで安全保障に関する会議を開きました。
この中でパトルシェフ氏は、ウクライナでの軍事侵攻が始まって以降、「武器や弾薬、爆発物を使った犯罪の件数が大幅に増えた。破壊工作やテロ行為の脅威が高まっている」としてロシアが支配する地域でテロの脅威が高まっていると主張しました。
そのうえで、「アメリカとイギリスなどはウクライナでの軍事作戦を長引かせている。実質はNATOとの戦いになっている」と述べ、ウクライナに軍事支援を続けるアメリカやイギリスなどとの戦いの構図になっていると指摘しました。

プーチン大統領 “ザポリージャ原発をロシア管理下に” 署名

ロシアのプーチン大統領は5日、ロシアが一方的に併合したウクライナ南東部、ザポリージャ州にあるザポリージャ原子力発電所について、ロシア政府の管理下に置くことを命じる大統領令に署名しました。
ザポリージャ州をロシアが併合したことに伴うものだとしています。
ロシアが武力で占拠した原子力発電所の支配を大統領令で正当化した形で、ウクライナや欧米各国から一層非難が強まるものとみられます。

UNEP事務局長 “ウクライナ 深刻な環境汚染”

UNEP=国連環境計画のインガー・アンダーセン事務局長がNHKの単独インタビューに応じ、ロシア軍の激しい爆撃などによりウクライナ国内で水質や土壌など、深刻な環境汚染が広がっているとし、重大な懸念を示しました。
アンダーセン事務局長は、ロシアの軍事侵攻が続くウクライナ国内の環境汚染について、「工場や発電所などへの激しい爆撃により有害な物質が流れ出して周辺の土壌、地下水、大気を汚染している」とし、「長期間にわたり人への健康を含めて深刻な影響をもたらすだろう」と重大な懸念を示しました。