OPECプラス 2020年以来の大規模減産決定 景気減速への懸念から

サウジアラビアなどのOPEC=石油輸出国機構にロシアなどの産油国が加わるOPECプラスは5日、世界的な景気減速への懸念から、11月以降の原油の生産量を1日あたり200万バレル減らすことを決めました。2020年以来の大規模な減産となります。

OPECプラスは5日、今後の原油の生産量を決める会合をオーストリアのウィーンにあるOPECの本部で開きました。

2020年3月以来、およそ2年半ぶりに対面での開催となりました。

欧米の利上げによって世界的な景気減速への懸念が高まっていることから来月以降の原油の生産量を1日あたり200万バレル減らすことを決めました。

2020年以来の大規模な減産で、世界の原油需要のおよそ2%にあたります。

原油価格はロシアによるウクライナ侵攻でことし3月には国際的な取り引きの指標となるWTIの先物価格が一時、1バレル=130ドル台をつけましたが、その後は景気減速による需要減少への懸念から価格は下落傾向となり、一時、1バレル=80ドルを割り込んでいました。

産油国としては原油需要の落ち込みに対応しつつ、石油収入を確保するねらいがあるものとみられます。一方、原油価格が再び上昇すれば消費国にとってはインフレに拍車がかかるおそれもあります。

サウジアラビア エネルギー相「長期的な視点で積極的に対応」

サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は記者会見で、「世界経済が不確実性を抱えている中、減産の目的は安定した持続可能な原油の市場を確保することだ」と述べました。

そのうえで「世界の中央銀行が急激なインフレに対応するため金利を引き上げる動きを進めている。OPECプラスとしてはこれに長期的な視点で積極的に対応する必要がある」などと述べ減産の意義を強調しました。

アメリカ 新たに1000万バレルの石油備蓄の放出を実施へ

OPECプラスの決定についてアメリカ・ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は5日、経済政策のとりまとめを担う国家経済会議のディーズ委員長と連名で声明を発表し「バイデン大統領は、世界経済がプーチン大統領のウクライナ侵攻による影響を受けるなかOPECプラスが近視眼的な決定をしたことに失望している。決定は低所得や中所得の国々にもっとも深刻な影響を与える」と批判しました。

また、アメリカ国内でガソリン価格を抑制するため、バイデン大統領の指示のもと、11月、新たに1000万バレルの石油備蓄の放出を実施すると発表しました。

ニューヨーク原油市場 WTIの先物価格が上昇

5日のニューヨーク原油市場では、産油国でつくるOPECプラスが11月以降の原油の大幅な減産を決めたことを受けて需給が引き締まるとの見方が広がり、国際的な原油の先物価格がおよそ3週間ぶりに一時、1バレル=88ドル台まで上昇しました。

5日のニューヨーク原油市場では国際的な原油取り引きの指標となるWTIの先物価格がおよそ3週間ぶりに一時、1バレル=88ドル台まで上昇しました。

産油国でつくるOPECプラスが来月以降の原油の生産量を1日あたり200万バレル減らすと決めたことについて、減産の規模が大きいと受け止められ需給が引き締まるとの見方が広がりました。

WTIの先物価格は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で、ことし3月初旬に一時、1バレル=130ドルを超え、世界的なインフレを加速させる要因となりました。

その後は、世界経済の減速懸念から下落に転じ、9月下旬にはおよそ8か月ぶりに1バレル=80ドルを割り込んでいました。

市場関係者は「減産の規模が大きいと受け止められたことに加えて、OPECプラスの原油価格を下支えする姿勢が鮮明になったことで、原油価格が当面、高止まりするとの見方も出ている」と話しています。