高齢者から若い世代へ資産移転促す税制 政府税調で議論開始

政府税制調査会は、相続税や贈与税の見直しに向けて、新たに設けた専門家の会合で議論を始めました。経済活性化を図るため、高齢者が持つ資産を若い世代に移しやすい制度をどう整備するかが議論の焦点となる見通しです。

5日の初会合には、税理士や税制を専門とする大学教授らの委員が出席しました。

この中で財務省の担当者が、高齢者世代が保有する金融資産がほかの世代と比べて多い現状を踏まえて、与党などから、経済活性化を図るためにも若い世代への資産の移転を、税制面から促す必要があるという指摘があることを説明しました。

これについて委員からは「相続税や贈与税の抜本的な見直しには時間がかかるため、既存の制度を使いやすくすることで早く生前贈与を促すべきだ」という指摘が出た一方で「高齢者の間でも保有する資産には差があり、生前贈与を促すことが若い世代の格差の拡大につながるのではないか」という慎重な意見もありました。

若い世代への資産の移転を促す税制として、現在は贈与の際に一定額までを非課税とし、相続の際にその分もまとめて精算して課税する制度があります。

しかし、手続きが煩雑なこともあって利用は伸びておらず、今後の会合では手続きの簡素化なども議論される見通しです。

専門家会合は今後も議論を続けたうえで意見をまとめ、具体的な税制改正を検討する与党の税制調査会の議論に反映させたい考えです。