公営住宅入居の保証人 東海4県自治体の約85%が今も入居条件に

1人暮らしの高齢者が増える中、保証人がいない人でも公営住宅に入居できるよう、国は4年前、全国の自治体に要請しましたが、愛知県など東海地方の4つの県では、100戸以上の公営住宅を管理している自治体のおよそ85%が「家賃の滞納が増える懸念がある」などとして、今も保証人の確保を入居の条件にしていることが分かりました。

公営住宅への入居をめぐり、国土交通省は、単身の高齢者世帯の増加を受け、平成30年、保証人を必要とする規定を削除するよう、全国の自治体に要請しています。

しかし東海地方では、その後も「保証人が見つけられずに困っている」といった相談が寄せられていたことなどから、総務省中部管区行政評価局は、愛知・岐阜・三重・静岡の4県で100戸以上の公営住宅を管理する自治体を対象に独自に実態調査を行いました。

その結果対象となった99の自治体のうち、ことし6月1日の時点で保証人の確保を求める規定を削除していたのは14にとどまり、ほかの85の自治体は規定を残していることが分かりました。

規定を残している自治体の4割は、保証人が2人必要で、保証人が見つけられないことを理由に入居を辞退した事例も23の自治体で確認されました。

規定を残している理由については、「家賃の滞納が増える懸念がある」という回答が、最も多い31の自治体からありました。

この結果を受け、行政評価局は、公営住宅が必要な人の入居を妨げているとして、5日、国土交通省中部地方整備局に通知を出し、自治体などに規定の削除を促すとともに、家賃の滞納を防ぐ取り組みなどの情報を共有するよう求めました。

愛知 岐阜 三重 静岡の保証人規定削除の状況

総務省中部管区行政評価局によりますと、100戸以上の公営住宅を管理している愛知県内の自治体のうち、規定を削除しているのは、愛知県のほか、名古屋市、岡崎市など11の自治体で、調査対象となった19の自治体で規定が残されています。

岐阜県で規定を削除しているのは岐阜市のみで、調査対象となった25の自治体で規定が残されています。

三重県では規定を削除している自治体はなく、調査の対象となった16の自治体すべてで規定が残されています。

静岡県では規定を削除しているのは熱海市と森町の2つで、調査対象となった25の自治体で規定が残されています。

保証人規定削除の岐阜市「滞納が増えた実感はない」

このうち、保証人の規定を3年前に削除した岐阜市の公営住宅の家賃の納付率は、
▽削除前の平成30年度が98.8%、
▽昨年度が98.3%となっていて、
市の住宅課は「滞納が増えたという実感はない」としています。

緊急時に連絡できる人や亡くなった場合などの身元引受人を確保する必要はありますが、そうした人が滞納された家賃を支払う必要はないということで、「引き続き、住宅のセーフティーネットを維持していきたい」としています。