通園バス死亡事件 新理事長に独自取材“慣れや慢心が原因”

先月、3歳の女の子が通園バスの車内に取り残され、死亡する事件が起きた静岡県牧之原市の認定こども園を運営する理事長がNHKのインタビューに応じ「慣れや慢心がいちばんの原因だと思う」と述べました。

認定こども園「川崎幼稚園」では3台のバスを運行していて、事件当日は運転手の1人が用事で送迎できなかったため、増田立義元理事長(73)が1台のバスを運転することになり、70代の女性が付き添いで同乗しました。

ところがこども園では、乗車した園児の名簿と降りた園児を照合するルールを設けておらず、増田元理事長や付き添いの女性は車内を十分に確認しないままバスを降り、女の子が取り残されました。
今回の事件を受けて、増田元理事長の長男で学校法人の新しい理事長に就任した増田多朗氏がNHKのインタビューに応じ「まさか自分の園で起こるはずがないという気持ちがあった。慣れや慢心がいちばんの原因だと思う」と述べました。

そして園が送迎のために3台のバスを運行していたことについて「少子高齢化もあり、いろんなところから子どもを迎えに行って園児の数を増やすことを考えていた。定員割れになっていたことへの危機感もあり、多少無理をしていた」と園の実情を明かしました。

そのうえで、3年前からは保育士の負担を減らすため、3台のバスの付き添いの仕事をシルバー人材センターから派遣を受けた外部スタッフに依頼していたとして、「ふだん一緒に接している保育士がそこに座っていれば、今回のようなことはなかったと思うので、本当に悔やまれます」と述べました。

園ではバスによる園児の送迎を当面中止するとしていますが、増田理事長はバスの送迎を再開する場合、派遣されたスタッフに付き添いの仕事を依頼するのをやめ、園の保育士が同乗する方向で検討を進めていることを明らかにしました。

また今回の事件が起きた白いバスは今後は使用せず、バスの運行についても、バス会社に委託することを視野に検討しているということです。

増田理事長によりますと、こども園では今回の事件を受けて元理事長が辞任したほか、副園長とクラスの担任、それに副担任がそれぞれ退職したということです。