ソニーが嗅覚測定装置 場所限られず 認知症発見へ活用も目指す

ソニーは、においを感じ取る人の嗅覚を測定する装置を開発しました。嗅覚の測定は、認知症の早期発見にもつながるとされているため、会社では将来的に病院での診断に活用することを目指しています。

新しく開発された装置では、被験者は装置の上にある穴に鼻を近づけて嗅覚を測定します。

会社によりますと、この装置では最大で40種類のにおいを使って、嗅覚の測定を行うことができ、測定者が専用のアプリで提示したいにおいを選択すると、瞬間的ににおいが出る仕組みになっています。

嗅覚の測定は、においのする液体に紙をひたしてかいでもらうのが一般的ですが、におい漏れを防ぐための場所が必要で、測定場所が限られるのが課題となっていました。

この装置は、においが外に漏れない密閉性と脱臭機能を備えているため、専用の部屋がなくても測定ができるほか、測定結果をアプリで簡単に記録できるということです。

嗅覚の測定は、新型コロナウイルスの後遺症で嗅覚に異常が出るケースがあることや、認知症の早期発見にもつながるとされているため、ニーズが高まっていて、会社では将来的に病院での診断に活用することを目指しているということです。

嗅覚事業推進室の藤田修二室長は「嗅覚測定を機械化することで、においを扱いやすくし、負担を少なくしたい。嗅覚測定が手軽になることで、健康診断などでも活用できるようになると思う」と話していました。