ウクライナ 南部の集落奪還を明らかに ロシアは併合強行の構え

ウクライナのゼレンスキー大統領は、東部ドネツク州の要衝リマンに続いて、南部ヘルソン州の集落を奪還したことを明らかにし、領土の奪還に向けた姿勢を一層強めています。
一方、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナの4つの州を併合するための関連法案を議会下院に提出するなど一方的な併合を強行する構えです。

ウクライナのゼレンスキー大統領は2日、動画を公開し「ウクライナ軍の成果はリマンに限ったものではない」と述べ、東部ドネツク州の要衝リマンに続いて、南部ヘルソン州にある複数の集落を奪還したことを明らかにしました。

さらに「きょうは重要な出来事があった。トルコで建造されていたウクライナのコルベット艦の進水式が行われた」と述べ、ウクライナの海軍で新たな軍艦の運用を開始することも明らかにしました。

そのうえで「ウクライナの国旗が戻れば、併合といったロシアの茶番劇を覚えている者は誰もいなくなるだろう」と述べ攻勢を強める考えを示しました。

一方、ロシアのプーチン大統領は2日、ドネツク州を含むウクライナ東部や南部の4州を併合するための関連法案や、批准を求める「条約」だとする文書を議会下院に提出しました。

また、ウクライナ南東部にあり、ロシアが占拠しているザポリージャ原子力発電所も完全に支配下に置く構えです。

さらに併合する地域の軍の部隊はロシア軍に組み込まれるとしているほか、ウクライナの通貨フリブニャの流通を年内で廃止する方針も示され、ウクライナ軍の反転攻勢を受ける中にあっても、ロシア支配の既成事実化を進めて一方的な併合を強行する構えです。