大リーグ 大谷翔平 エンジェルスと約43億円で来シーズンの契約

大リーグ、エンジェルスは1日、大谷翔平選手と年俸3000万ドル、日本円でおよそ43億円で来シーズンの契約を結んだと発表しました。年俸3000万ドルは、大リーグでの日本選手の最高年俸となります。

大谷選手は去年2月にエンジェルスと2年総額で850万ドル、当時のレートでおよそ8億9000万円の契約を結んでいて、今シーズン終了後に契約が終了することになっていました。

来シーズンまではエンジェルスが大谷選手の保有権を持っている中で新たな契約の行方が注目されていましたが、エンジェルスは1日、大谷選手と年俸3000万ドル、日本円でおよそ43億円で来シーズンの契約を結んだと発表しました。年俸3000万ドルは大リーグでの日本選手の最高年俸となります。

アメリカのメディアによりますとこれまでの日本選手の最高年俸は2018年のカブス時代のダルビッシュ有投手で、年俸2500万ドルでした。

今回のエンジェルスとの契約は1年で、新たに長期契約を結ばなければ、大谷選手は来シーズン終了後にFA=フリーエージェントとなります。

来年の収入総額 日本円で約72億円か

大谷選手が来シーズンの契約を年俸3000万ドルで結んだことを受けてアメリカの経済誌フォーブスは、1日、スポンサーなどから得る収入がことしと同じなら、来年の収入の総額は5000万ドル、日本円でおよそ72億円に達するだろうと報じました。

大谷選手は多くの企業の広告に起用されていて、記事では、大谷選手がことし、こうしたスポンサーなどから得る選手年俸以外の収入は大リーグトップの2000万ドルにのぼると試算しています。

今シーズンは年俸が低かったため収入の総額では10位までのランキングに入っていませんでしたが、2000万ドル以上の大幅増となった来シーズンの年俸と合わせた5000万ドルをことしにあてはめると、メッツのシャーザー投手の5930万ドルについで大リーグで2番目にあたるということです。

大谷の年俸の推移は

大谷選手の来シーズンの年俸は、自身最高だった今シーズンと比べても5倍以上の大幅アップとなり、2年連続での投打の二刀流での活躍が反映された形となりました。

大谷選手の年俸の推移です。

プロ野球の日本ハム時代は、金額はすべて推定で1年目の1500万円から順調に伸ばし、3年目の2015年には1億円の大台に乗せました。

日本ハムでの最終年の2017年には2億7000万円となり、前例のない投打の二刀流での活躍が高く評価されました。

一方、大リーグでは労使協定によってアメリカとカナダ、プエルトルコ以外の25歳未満の選手ははじめはマイナー契約となり、大リーグへの昇格後も年俸は最低保障額での契約となります。

そのため23歳でエンジェルスと契約した大谷選手の年俸も、大リーグ1年目の2018年は54万5000ドル、当時のレートでおよそ6100万円となり、日本ハムでの最終年から2億円以上、下がりました。

また3年目までは球団が年俸を決められるため、新人王に輝いた翌年の2019年も65万ドル、2020年も70万ドルと大幅なアップはありませんでした。

さらに2020年は新型コロナウイルスの影響でレギュラーシーズンが162試合から60試合に大幅に減ったため、年俸も試合数に応じて減額され、実際にはおよそ26万ドル、2700万円ほどとなっていました。

大リーグでの年俸が大きく上昇したのは年俸調停の権利を得てからで、去年2月に2年契約を結んで、昨シーズンは300万ドル、およそ3億1000万円、今シーズンは550万ドル、およそ5億7000万円でプレーしました。

大リーグ6年目となる来シーズンの契約では、ここ2シーズンの投打の二刀流での歴史的な活躍が反映され、今シーズンの5倍以上の年俸3000万ドル、およそ43億円と大幅アップとなりました。

これは2020年のドジャースのベッツ選手の年俸2700万ドルを上回り、年俸調停の権利を持つ選手では最高年俸となります。

ただ、アメリカのメディアによりますと大リーグ全体で見れば大谷選手の来シーズンの年俸は現時点で16番目で、チーム内でもレンドーン選手のおよそ3850万ドル、トラウト選手のおよそ3700万ドルに続く3番目の年俸となることから、「まだ投打の二刀流の活躍に見あった金額ではない」という指摘もあります。

※日本円はすべて契約時のレート

ファンからは喜びの声

エンジェルスタジアムを訪れていたファンからは喜びの声が聞かれました。

日本からアメリカの大学に留学しているという19歳の男性は「大谷選手を見るために初めて球場に来た。エンジェルスで二刀流を貫いてもらえるのがうれしいので、すごくよかったなという気持ち。他球団のユニフォーム姿は想像できない」と話しました。

日本円でおよそ43億円となる来シーズンの年俸については「値すると思う。日本の宝として妥当な金額ではないか」と納得した様子でした。

また、エンジェルスファンのアメリカ人の男性ファンは「契約してくれてよかった。チームは彼を必要としているし、すばらしい選手なのでこのままエンジェルスにいてもらいたい」と笑顔で話していました。

1年契約となった背景

シーズン終了の4日前に突然発表された大谷選手とエンジェルスの来シーズンの契約。長期ではなく1年契約となった背景には、球団の売却を検討しているエンジェルスの特殊な事情があります。

エンジェルスが大谷選手の保有権を持つのは大リーグ6年目の来シーズンまでで、大谷選手は年俸調停の権利を持っていたためこのオフにどのような形で契約を結ぶのか注目されていました。

シーズンが終わる前に契約を結んだことでオフの年俸調停は回避されましたが、エンジェルスが球団の売却を進めようとしていることもあり、長期契約には至りませんでした。

球団のモレノオーナーはFAやトレードなど球団の選手編成についても大きな影響力を持ち、これまで主力選手の大型契約を進めてきましたが、ことし8月に球団の売却を検討する手続きに入ったと発表し、資産価値が22億ドルともいわれる中で買い手はまだ決まっていません。

二刀流で歴史的な活躍を続け人気も高い大谷選手を再来年以降も保有し続けるためには破格の大型契約が必要で、新しいオーナーの資金力や意向が見えない中ではそうした契約は結びにくい状況でした。

一方、大谷選手自身はシーズン中に契約延長について問われた際に「僕はもうノータッチなので、完全に代理人に任せている」と話し、シーズンに集中する意向を示していました。

今回、球団と大谷選手の代理人は「現状維持」を選んで球団売却への影響を最小限に抑えた形ですが、大谷選手が来シーズンも最後までエンジェルスでプレーした場合はオフにFA=フリーエージェントとなるため激しい獲得競争となることは確実です。