アニサキスの食中毒 年間約2万人か 厚労省に報告の50倍以上

魚介類に寄生し、激しい腹痛を引き起こす「アニサキス」による食中毒について、国立感染症研究所の研究グループが診療報酬明細書のデータをもとに患者の数を試算したところ、厚生労働省に報告された50倍以上の年間およそ2万人にのぼるとみられることが分かりました。

アニサキスは、体長2、3センチほどの幼虫がサバやアジなどの魚介類に寄生し、十分な加熱や冷凍処理を行わないで生きたまま人の体内に入ると胃や腸を傷つけ、激しい腹痛やおう吐などを引き起こします。

国立感染症研究所の杉山広 客員研究員のグループは患者が医療機関にかかった際に出される診療報酬明細書に注目し、研究用の843万人分のデータを解析しました。

その結果、アニサキスによる食中毒で診療報酬が請求されていたのは2018年と2019年では平均およそ880人で、これをもとに全人口での患者数を推計したところ、年間1万9737人にのぼるとみられることが分かりました。

去年1年間に厚生労働省に報告された件数は食中毒の原因の中では最も多いものの344件で、実際の患者は50倍以上いるとみられるとしています。2005年から2011年では年間およそ7000人と推計されていて、今回、増加が裏付けられたとしています。

杉山客員研究員は「輸送技術が発達し、アニサキスの原因となる魚が流通するようになったほか海流の影響などの変化によって増えたのではないか」と話しています。