新型コロナ関連ことば 「おうち時間」「黙食」浸透 文化庁調査

新型コロナウイルスに関連したことばについて文化庁が調査したところ、「おうち時間」や「黙食」などが浸透していることが分かりました。

文化庁は日本語の使い方などの変化を毎年調査していて、ことしは1月から2月にかけて郵送で実施し、全国の16歳以上の3579人から回答を得ました。

新型コロナウイルスに関連した8つのことばの使われ方について聞いたところ、
「そのまま使うのがいい」と回答した割合が高かったのは、高い順に
▽「おうち時間」が69.1%、
▽「黙食」が64.9%、
▽「人流」が50.2%、
▽「ワクチンパスポート」が44.9%でした。

一方、割合が低かったのは、低い順に
▽「ニューノーマル」が11.6%、
▽「ブレークスルー感染」と「ブースター接種」がともに12.9%、
▽「エアロゾル」が14.2%で、
これらのことばは説明を付けるか、ほかの言い方をしたほうがよいという回答が多くなっていました。

年代による違いも現れていて、「おうち時間」と「黙食」はいずれも「そのまま使うのが良い」と回答したのが10代では90%前後でしたが、年代が上がるほどその割合は減り、70代以上では「おうち時間」が56.6%、「黙食」が48.7%でした。

調査を行った文化庁国語課の武田康宏主任国語調査官は「主に高齢者にはカタカナ語や新しいことばが定着しにくい。使うときは、分かりやすさとのバランスを考えて発信することが大事だ」と話していました。

こそく=ひきょう?

今回の調査では、辞書などで書かれたことばの本来の意味や使い方と、一般の人の認識の違いについても調べました。

「姑息(こそく)」は本来、「一時しのぎ」という意味ですが、そう思う人は17.4%にとどまり、「ひきょう」という意味だと思う人は73.9%でした。

また「割愛する」も、本来の意味の「惜しいと思うものを手放す」と思う人は23.7%にとどまり、「不必要なものを切り捨てる」という意味だと思う人は65.3%でした。

一方、辞書などで「大きな声を出すこと」の本来の言い方とされてきた「声を荒(あら)らげる」を使う人は12.2%だったのに対し、「声を荒(あ)らげる」を使う人は79.7%でした。