パイプラインガス漏れ NATO「インフラ攻撃には断固対応」

ロシアとドイツを結ぶバルト海の天然ガスパイプラインで起きたガス漏れについて破壊工作によるものとの見方が強まるなか、29日、NATO=北大西洋条約機構も同様の見方を示し、加盟国の重要インフラへの攻撃には断固とした対応を取る姿勢を強調しました。

ロシアとドイツを結ぶバルト海のガスパイプライン、ノルドストリームのガス漏れについてスウェーデンの当局は29日、ガス漏れがもう1か所あると発表し、これで4か所となりました。

ヨーロッパ側ではガス漏れは破壊工作によるものとの見方が強まっていますが、29日、NATOが声明を発表し「現在ある情報はこれが破壊工作だと示唆している」としたうえで「加盟国の重要インフラを意図的に攻撃すれば断固とした対応を取る」と強調しました。

またEU=ヨーロッパ連合で内務を担当するヨハンソン委員は28日、ドイツメディアに対し「新たな攻撃があすにも行われるかもしれないと認識しなければならない」と述べ、重要インフラが破壊工作やテロなどの脅威に耐えられる状況かなどを点検する方針を明らかにしました。

一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は29日、「前例のない出来事で国家レベルの一種のテロ攻撃のようだ」と述べました。

そのうえで一部のアメリカメディアがロシア軍が関与した可能性を指摘していることに対し「この地域はNATO加盟国の船舶や航空機が多くいるバルト海であり、ばかげている」と関与を否定しました。

ロシア プーチン大統領「国際的なテロ行為だ」

ロシアとドイツを結ぶバルト海のガスパイプラインノルドストリームのガス漏れについて、ロシア大統領府によりますと、プーチン大統領は29日に行ったトルコのエルドアン大統領との電話会談の中で「前例のない妨害工作であり国際的なテロ行為だ」と非難したということです。

パイプラインのガス漏れをめぐっては、破壊工作によるものとの見方が強まっていて、一部の欧米メディアはロシア軍が関与した可能性を指摘していますが、ロシア側は強く否定しています。