岸田首相 “「国葬」の対応検証 国民理解得られる在り方検討”

安倍元総理大臣の「国葬」をめぐり、岸田総理大臣は、政府の対応の検証を行う方針を重ねて示し、今後、幅広い有識者から意見を聴いて論点整理を行うとともに、国民の幅広い理解が得られる「国葬」の在り方の検討を進めていく意向を明らかにしました。

この中で、岸田総理大臣は、26日行われた安倍元総理大臣の「国葬」について「厳粛かつ心のこもった形で安倍元総理をお送りすることができた。一般の方々からの献花は、千鳥ケ淵に設置された献花台だけでも2万5000人を超えた。葬儀委員長として改めて感謝を申し上げたい」と述べました。
また「『国葬儀』は無事終わったが、国民からさまざまな意見や批判をいただいたことは真摯(しんし)に受け止め、今後にいかしていきたい。今後の議論に資するためにも記録を残していくことは重要だ」と述べたうえで、政府の対応の検証を行う方針を重ねて示しました。
そして、具体的な検証の方法をめぐって「まずは幅広い有識者から意見をうかがい、『国葬儀』に関する論点と意見を整理するところから始め、早急にお示しできるように作業を進める」と述べました。
そのうえで適切な金額や規模など国民の幅広い理解が得られる「国葬」の在り方の検討を進めていく意向を明らかにしました。
さらに「国葬」にかかった経費の速報値を速やかに示すとともに必要な手続きが終了したあと、確定値も公表する考えを明らかにしました。

「国葬儀」の費用 速やかに示したい

岸田総理大臣は総理大臣官邸で記者団に対し「『国葬儀』の費用については、式典自体の経費のほか、実施に伴い必要となる接遇費や警備費についても、既定予算で対応する中で、一定の仮定を置いたうえで見込みの額を事前に示してきた」と述べました。
そのうえで「『国葬儀』が終了したことから実際に要した経費の速報値については、速やかに取りまとめてお示ししたい。その後も、所要の手続などが終了した時点で、概数値や確定値を明らかにしていきたい」と述べました。

岸田首相 経済対策・細田衆院議長・日中関係などについて述べる

岸田総理大臣は「国葬」以外についても、記者団の取材に応じました。

新たな総合経済対策 “3つの重点分野に思い切って”

岸田総理大臣は、今年度の補正予算案の編成を見据え、来月まとめる新たな総合経済対策について、30日の閣議で、柱とすべき項目を各閣僚に示し、具体的な検討を指示する考えを示しました。
そのうえで「特に物価高や円安への対応、構造的な賃上げ、それに成長のための投資と改革を3つの重点分野として、思い切った対策を策定していきたい」と述べました。
そして「わが国は、コロナ禍を乗り越え、社会経済活動の正常化が進みつつあるが、足元ではエネルギー・食料価格の高騰が家計を直撃し、世界の景気後退懸念が日本経済のリスク要因になっている。足元の物価高への対応に全力で当たり、『新しい資本主義』の加速による日本経済の再生に最優先で取り組んでいく」と述べました。

電力料金 激変緩和で新制度を創設へ

岸田総理大臣は、総理大臣官邸で記者団に対し「ウクライナ紛争の長期化をにらみ、天然ガスの市場は高騰を続け、電力料金の一段の上昇は避けられず、来年春以降に料金改定や契約改定の形を取って一気に2割から3割の値上げとなる可能性もある」と指摘しました。
そのうえで「こういった事態を避けるために激変緩和を目的とした新たな制度を創設し、国民生活とコストアップの転嫁が困難な企業の活動を守っていく決意をした。経済対策の策定プロセスの中で与党と具体的な制度内容についてしっかり意見交換を行い、10月末の取りまとめに成案を盛り込んでいきたい」と述べました。

細田衆院議長 ご自身の判断で適切に対応を

また、細田衆議院議長については「三権の長たる議長として、ご自身の判断で適切に対応されるべきものであり、コメントは差し控える」と述べました。
また、細田衆議院議長を自民党の調査対象にすべきかどうかについては「三権の長たる議長において、こうした事案に対する対応はみずからが判断されることであり、立法府として判断されるものだ。三権の長に対し、自民党総裁が何か指示したり、働きかけたりすることは、三権分立の考え方からしてもさまざまな問題を含むし、考えなければならない課題ではないか。三権の長の重みを考えてそれぞれの対応を考えるべきではないか」と述べました。

安定的な日中関係 双方の努力で構築

また、日中関係については「現在、日中関係はさまざまな可能性とともに、数多くの課題や懸案に直面している。同時に日中両国は、地域と世界の平和と繁栄に大きな責任を担っている。50年前に国交正常化を成し遂げた原点を思い直し、今後の50年も見据えながら、建設的かつ安定的な日中関係を双方の努力で構築していくことが重要だ」と述べました。
また記者団から、今後、習近平国家主席との首脳会談を行う考えがあるか問われたのに対し「現時点で何ら決まっていることはないが主張すべきことは主張し、責任ある行動を求めつつ、諸懸案を含め、さまざまなレベルで対話をしっかり重ねていくという姿勢で臨んでいきたい」と述べました。