ロシア 併合ねらい支配地域で「住民投票」だとする活動 開始へ

ロシアのプーチン政権は、23日から、ウクライナで支配する地域の一方的な併合をねらい、「住民投票」だとする活動を始める予定です。これに対し、地元の自治体からは実態を反映したものにはならず、正当性はないなどと強い反発の声が上がっています。

プーチン政権はウクライナで支配する地域の一方的な併合をねらい、親ロシア派勢力が、東部ドンバス地域のドネツク州とルハンシク州、南東部ザポリージャ州、それに南部ヘルソン州などで、23日から27日にかけて「住民投票」だとする組織的な活動を始める予定です。

ロシアの前の大統領で、安全保障会議のメドベージェフ副議長は21日、SNSに「住民投票が行われ、ドンバスなどの領土はロシアに受け入れられるだろう」と投稿し「住民投票」だとする活動の結果を受けて、ロシアがこの地域を併合する可能性を示唆しました。

メドベージェフ氏はウクライナ侵攻以降、強硬な発言を繰り返していて「併合された領土の防衛はロシア軍によって大幅に強化される。ロシアは防衛のためなら、動員だけでなく、核を含むあらゆる兵器も使用できる」と主張しました。

一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、親ロシア派側は、支配地域で住民の監視を強め、ロシアを支持する住民だけを強制的に選別する作業を進めていると警告しています。

このうち、大部分がロシアに占領されているルハンシク州のハイダイ知事が22日、NHKの取材にオンラインで応じ「ロシア軍は占領に反対するデモ隊に発砲したあと、大勢の人をバスで連れてきてロシア軍を歓迎する住民だと称したことがある」と述べ「住民投票」についても、実態を反映したものにはならないとの見方を示しました。

また、ルハンシク州の要衝で、6月に占領されたセベロドネツクのストリュク市長も22日、取材に応じロシア側が市民の行動を厳しく監視する中で「自由な投票など不可能だ」と非難し、投票に正当性はないと訴え、地元の自治体からは強い反発の声が上がっています。