円相場 政府・日銀の市場介入で一時140円台前半まで円高進む

22日の東京外国為替市場、1ドル=145円台後半まで円安が進む中、急速な円安に歯止めをかけるため、政府・日銀がドルを売って円を買う市場介入に踏み切ると、一時、140円台前半まで一気に円高が進みました。

東京外国為替市場では、日銀の黒田総裁が午後3時半からの記者会見で「当面、金利を引き上げることはない」などと発言したことを受けて、円を売ってドルを買う動きが加速し、円相場は記者会見の最中に1ドル=145円台後半まで値下がりしました。

午後5時時点の円相場は、21日と比べて2円3銭円安ドル高の、1ドル=145円77銭から78銭でした。

ただ、その後、政府・日銀がドルを売って円を買う市場介入に踏み切ると、円相場は一時1ドル=140円台前半まで一気に値上がりしました。

午後5時時点では、ユーロに対しては、21日と比べて1円5銭円安ユーロ高の、1ユーロ=143円50銭から54銭でした。

ユーロは、ドルに対して、1ユーロ=0.9844から46ドルでした。

市場関係者「インパクトは大きかった」

市場関係者は「政府・日銀からは、これまでも円安をけん制する発言が繰り返されていたが、実際に市場介入に踏み切るかどうかは疑問の声もあっただけに、インパクトは大きかった」と話しています。

一方で「きょうの金融政策決定会合で日銀が金融緩和を続ける姿勢を改めて示したことで、日米の間の金利差が拡大する構図に変化はなく、長い目でみれば今後も円安が進みやすい環境は続くのではないか」とも話し、市場介入の規模や効果を見定めたいとの認識を示しました。

1998年以来の「ドル売り円買い」介入とは

市場介入は、通貨当局が巨額の資金を投じて外国為替市場で通貨を売買し、為替相場の急激な円安や円高の動きに歯止めをかけるために行われます。

財務大臣の権限で実施され、財務省から指示を受けた日銀がドルや円の売り買いを行います。

急激な円安に歯止めをかけるため「ドルを売って円を買う」介入では、国の特別会計にあるドル資金を売って円を買い入れます。

財務省によりますと、国の特別会計にある資金は8月末の時点で1兆2920億ドル、日本円にして187兆円余り。

特別会計の内訳は明らかになっていませんが、その多くがドル資産とみられます。

資金には限りがあるため、市場介入を際限なく実施できるわけではありません。

政府・日銀がドル売り円買いの市場介入に踏み切ったのは、日本経済が金融危機に直面していた24年前の1998年以来です。

当時の日本は、前年に北海道拓殖銀行や山一証券などが相次いで経営破綻し、市場では金融システムに対する不安から円が売られて円安ドル高が進行しました。

政府・日銀は、急速な円安は日本経済の打撃になりかねないとして4月と6月に合わせて3回、金額にして3兆円余りの「ドル売り円買い」の介入を行いました。

ロンドン市場 荒い値動き

22日の外国為替市場では、政府・日銀によるドル売り円買いの市場介入で1ドル=140円台前半まで円高が進みましたが、その後のロンドン市場では一時、143円台まで値下がりし、荒い値動きとなっています。

市場関係者は「市場介入について鈴木財務大臣が会見で単独か協調介入か明言を避けたこともあり、円高が続くか疑問視する見方が広がって、ドルを買い戻す動きにつながったと見られる」と話しています。

ヨーロッパ中央銀行「市場介入には参加していない」

ヨーロッパ中央銀行の報道官は22日、NHKの取材に対し、「外国為替市場で政府・日銀が行った市場介入には参加していない」と述べ、協調介入はしてないことを明らかにしました。