難民高等弁務官“ウクライナで数百万人の避難民 支援が急務”

国連総会に出席しているグランディ難民高等弁務官がNHKの取材に応じ、ウクライナでは厳しい冬を控え、数百万の避難民への支援が急務となっていると指摘しました。

そして国連の安全保障理事会が大国同士の対立から事態を打開できない中、各国の首脳が参加する国連総会の場で解決策を模索すべきだと訴えました。

国連総会に出席するためニューヨークを訪れているグランディ難民高等弁務官は、NHKのインタビューに応じ、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が世界のさまざまな分野で危機を広げているとして、「30年以上、国連で働いてきたが、これほど多くの課題に直面したことはない」と、危機感をあらわにしました。

そのうえでウクライナ国内の状況について、「厳しい冬を控えいまだに数百万人が安全な住まいに戻れていない。東部や南部で続く激しい戦闘がいまも多くの避難民を生み出している」として、国内で避難を強いられたり、国外から帰国したりした人たちの生活の支援が急務だという考えを示しました。

そして、国連の安全保障理事会が大国同士の対立から機能不全に陥り、ウクライナを含め世界各地の紛争を解決できなくなっていると指摘したうえで、「難民が故郷に戻るためには、紛争が政治的に解決される必要がある。各国の首脳が出席する国連総会の場で解決策を見いだして欲しい」と述べ、各国の首脳が参加する国連総会の場で政治的な解決策を模索すべきだと訴えました。