トルコ大統領「戦争に勝者はいない」仲介への意欲を示す

トルコのエルドアン大統領は国連総会で演説し、「戦争に勝者はいない」と述べ、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐり事態の打開に向けた仲介への意欲を改めて示しました。

トルコのエルドアン大統領は20日、国連総会で演説し「戦争に勝者はいないし、公正な和平に敗者はいない。いま求められているのは、解決に向けた対話と外交だ」と訴えました。

そのうえで、トルコが関与して実現したロシアとウクライナの外相会談や、ウクライナからの船舶での農産物の輸出再開を引き合いに出し、事態の打開に向けた仲介への意欲を改めて示しました。

また、「ザポリージャ原子力発電所でも同じ働きができる」として、原発の安全確保でも仲介の準備があると述べました。

一方で、エルドアン大統領は「国連安全保障理事会のより民主的で透明性のある構造の確立は、全人類が平和を求める上で重要な転機になる。世界は5か国よりも大きいということをあらゆる場で強調する」とし、常任理事国の中国やロシアが拒否権を行使することで機能不全に陥っているとして、改革が必要だという認識を示しました。