北朝鮮 マスク着用義務づけへ コロナとインフルの同時流行警戒

北朝鮮はことしの秋から冬にかけて新型コロナウイルスとインフルエンザが同時に流行するおそれが指摘されているとして、すべての国民に来月からマスクの着用を義務づける方針を示しました。

20日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、新型コロナやインフルエンザについて、「秋に入り、日中と夜の気温差が大きく、ウイルス性の呼吸器疾患が発生しやすくなる」として、感染防止策の徹底を呼びかけました。

そのうえで、「WHO=世界保健機関などは、ことしの秋から冬にかけて新型コロナとインフルエンザが同時に流行することを懸念している」と指摘し、すべての国民に来月からマスクの着用を義務づけるとする方針を伝えました。

北朝鮮は先月、新型コロナを抑え込んだとして「勝利宣言」を行い、マスクの着用義務を原則としてなくすとしていましたが、感染拡大に再び警戒しているもようです。

北朝鮮との国境がある中国東北部の丹東では先週17日、川の対岸にある北朝鮮側でマスクを着用した男性が自転車に乗っている姿が確認できました。

キム・ジョンウン(金正恩)総書記は今月、新型コロナのワクチンの接種を始める方針も明らかにしていて、国民の不満の高まりを抑えるねらいがあるものとみられます。