英 エリザベス女王 国葬前に各地からロンドンに追悼者集まる

イギリスではエリザベス女王の国葬を今月19日に控え、多くの人が女王を追悼するため各地から首都ロンドンに集まっています。ロンドンの主な鉄道の駅は構内を24時間開放するなどして対応にあたるとしています。

今月19日にエリザベス女王の国葬を控えたイギリスでは、この週末から国葬当日にかけて、多くの人が女王を追悼するために各地からロンドンに集まると見込まれています。

ロンドンの鉄道駅の1つ、キングスクロス駅では16日、北部や中部などからの列車が到着し、スーツケースや旅行かばんを持った人たちが次々とホームに降りてきました。

中部の町から来た女性は、「バッキンガム宮殿に行ったり隣接する公園で花を手向けたりする予定です。国葬の日は女王が敷地内に埋葬されるウィンザー城に行きます。女王が亡くなったことがまだ現実と思えず、複雑な気持ちです」と話していました。

また中部の別の町から妻と来た男性は、「バッキンガム宮殿にも行きますし、国葬の日の雰囲気を感じるため女王のひつぎが通る道にも足を運ぶかもしれません。国葬の日までにはふだんと違う気持ちになりそうです」と話していました。

ロンドンの主な鉄道の駅では、この週末から19日にかけて駅の構内を24時間開放し、深夜や早朝の利用者の対応にあたるとしています。

デビッド・ベッカムさん「とても言い表せない思い」

エリザベス女王のひつぎが安置されているウェストミンスターホールには16日、サッカーの元イングランド代表、デビッド・ベッカムさんも弔問に訪れました。

地元メディアによりますと、ベッカムさんは、現地時間の午前2時ごろから12時間以上、ほかの弔問客とともに長い列に並んだということです。

ホール内部の映像では、ベッカムさんがひつぎの前で静かに頭を下げる様子が確認され、目には涙を浮かべているように見えます。

ベッカムさんはイギリスのイメージ向上に貢献したとして、2003年にエリザベス女王から最高位の勲章の1つである「大英帝国勲章」を授与されています。

ベッカムさんは弔問のあと、報道陣の取材に対し「ホールの中での思いはとても言い表せない。やさしく気遣ってくださった女王陛下に感謝している」と話していました。

ロシアは国葬に招待されず イギリスを非難

ロシア外務省のザハロワ報道官は15日、声明を発表し、エリザベス女王の国葬にロシアの代表を招待しないと、イギリス外務省から伝えられたことを明らかにしました。

ロシアによるウクライナへの侵攻が理由だということです。

声明でザハロワ報道官は「世界中の人たちの心を揺さぶった国家的な悲劇を地政学的な目的に利用し、道徳に反する。これはエリザベス女王を冒とくするものだ」と非難しました。

そのうえで「イギリスの人々の計り知れない喪失に深い哀悼の意を表す」と結んでいます。

ロイター通信は、外交筋の話として国葬に招待されていない国はロシアのほか、ベラルーシとミャンマー、シリア、ベネズエラ、それにアフガニスタンだと伝えています。

中国 副主席が参列へ

中国外務省の毛寧報道官は、今月19日にイギリスの首都ロンドンで行われるエリザベス女王の国葬に、王岐山 国家副主席が参列すると明らかにしました。

王副主席は、今月12日に北京にあるイギリス大使館を弔問に訪れ「エリザベス女王は中国とイギリスの関係を発展させるために積極的な貢献を行った」と哀悼の意を示していました。