ザポリージャ原発の管理公社総裁“砲撃はロシア軍によるもの”

砲撃が相次ぐウクライナのザポリージャ原子力発電所について、この原発を管理する原子力発電公社の総裁は、砲撃はロシア軍によるものであり、それを裏付ける客観的な証拠を持っていると強調しました。

ザポリージャ原発は、今月1日からIAEA=国際原子力機関の専門家チームによる調査が行われている間も相次いで砲撃を受けました。

この原発を管理するウクライナの原子力発電公社エネルゴアトムのペトロ・コティン総裁は、15日、NHKのインタビューに応じました。

このなかでコティン総裁は「ロシア軍はIAEAが来る前に戦車や武器を動かしたり、砲撃や銃撃のあとを修復したりして、証拠隠滅を図ろうとしていた」と述べ、砲撃はロシア軍によるものであり、それを裏付ける住民らの証言など客観的な証拠を持っていると強調しました。

そして「ロシア軍が原発から撤退すれば、安全に関するすべての問題に終止符が打たれることは明らかだ」と述べて、原発の非武装化の必要性を訴えました。

この原発は砲撃によって一時、外部電源を喪失しましたが、その後、送電線の一部が復旧しています。

コティン総裁は、原子炉を冷却するなどのための非常用電源について「非常用発電機の燃料はおよそ10日間持つと見ているが、発電機が故障したり砲撃されたりすれば、どうなるかわからない。福島第一原発のような事故が起こらないよう、できるすべてのことをしている」と述べ、危険と隣り合わせで安全確保に努めている状況を説明しました。