中国とロシア 対面での首脳会談始まる 両者のねらいは?

中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領の首脳会談が、先ほど中央アジアのウズベキスタンで始まりました。

両首脳が対面で会談するのは、ことし2月のロシアのウクライナ侵攻後初めてで、経済や軍事面での連携などについて、協議が行われるとみられます。

中国とロシア、それぞれのねらいは、どこにあるのでしょうか。

中国とロシアが主導する「上海協力機構」にあわせて会談

ウズベキスタンの古都サマルカンドでは、中国とロシアが主導する枠組み、上海協力機構の首脳会議が15日から2日間の日程で開かれる予定で、14日夜に現地入りした中国の習近平国家主席に続いて、15日朝にロシアのプーチン大統領も到着しました。

習主席とプーチン大統領が対面で会談するのは、ロシアがことし2月、ウクライナに軍事侵攻して以降、初めてです。

プーチン大統領としては、ウクライナへの侵攻で苦戦が伝えられ、欧米からの経済制裁も強化されるなか、習主席との間で経済や軍事面での連携を確認し、協力を強めたいねらいがあるとみられます。

一方、習主席としては、共産党のトップとして異例の3期目入りするかが焦点となる党大会を10月に控え、会談を外交実績としてアピールするねらいがあるとみられます。

これに先立ち、プーチン大統領は、イランのライシ大統領とも会談し、友好関係にある国の首脳との結束強化をアピールしています。

首脳会談 冒頭発言

プーチン大統領「中国のバランスのとれた立場 高く評価」

ロシアのプーチン大統領は、中国の習近平国家主席との会談の冒頭「ロシアは、ウクライナ危機における中国のバランスのとれた立場を高く評価している。これに関する中国側の懸念を理解していて、ロシアの立場をはっきり示したい」と述べ、首脳会談でウクライナ情勢について意見を交わす考えを示しました。

また、「われわれは『一つの中国』の原則を強く支持する。台湾海峡におけるアメリカとそれを取り巻く国などによる挑発を非難する」と述べ、中国を支持する姿勢を示し、アメリカなどをけん制しました。

習主席「中国はロシアとともに大国の役割果たす」

中国の習近平国家主席は、プーチン大統領との会談の冒頭「世界の激変や時代、歴史の激変に直面する中、中国はロシアとともに大国の役割を果たし、リードしていく」と述べ、ロシアとの連携を強める姿勢を示しました。

専門家は両者のねらいをどう分析?

専門家は、中国とロシア、両者のねらいをどう分析しているのでしょうか。

ロシアのねらいは?

ロシアのプーチン政権は、ウクライナへの軍事侵攻で、欧米から厳しい制裁を受けるなか、中国との連携を強化する姿勢を鮮明にしています。

ロシアや中央アジア諸国の外交政策に詳しい上智大学の湯浅剛教授は「ロシアはヨーロッパとの関係の分断が進んでいる以上、中国は頼みの綱になる。関係をさらに深めていこうという意図はロシアとしては強くある」と指摘しています。

そのうえで、プーチン大統領が中国の習近平国家主席との首脳会談で期待することとして「武器供与など、この特別軍事作戦を少しでもロシアに有利な形で中国が支援してくれることを目指している」と述べ、中国は支援に慎重な姿勢だと指摘しながらも、ロシアとしては中国から政治や経済での連携だけでなく、軍事的な支援も期待していると分析しました。

また、上海協力機構については「ロシアが望ましいと思う『多極化世界』というものが、中国が目指すものと重なるところが大きければ、中ロが連携する形で、反米の牙城として上海協力機構という役割が強まっていくと思う」と述べ、ロシアと中国がともに対立するアメリカ中心の「一極主義」への対抗軸として、いっそう重視していくだろうという見方を示しました。

中国のねらいは?

中国の外交政策に詳しい中国人民大学の時殷弘教授は、習近平国家主席の今回の訪問のねらいについて、首脳どうしの対面での会談の重要性を指摘した上で、「今回の訪問で成果をあげたとみなされれば、共産党大会において外交面でのプラスになる」と述べ、10月に習氏が共産党のトップとして3期目入りするかが焦点となっている党大会も意識したものだとしています。

また、ロシアのプーチン大統領との首脳会談にどのように臨むかについては「中国は一貫して西側諸国によるロシアへの制裁を強く非難している。ロシアが非常に厳しい状況の中、経済や金融上の困難を軽減させるために一定の貢献をしたいとは思っている」と指摘しました。

その一方で、「優先しているのは、アメリカの中国に対する間接的な制裁を回避することだ。ロシアはさまざまな方式で中国を戦場に引き寄せようと考えているが、中国は慎重に対応し、軍事上、いかなる方式でもロシアのヨーロッパでの戦争に巻き込まれることはない」と強調し、ロシアへの軍事支援には慎重だという見方を示しました。