貿易赤字 過去最大の2兆8173億円 「原油価格上昇」「円安」で

先月の貿易統計は、輸出から輸入を差し引いた貿易収支が2兆8000億円余りの赤字となり、1か月の貿易赤字としては過去最大となりました。原油価格の上昇や円安で輸入額が膨らんだことが要因です。

財務省が発表した先月の貿易統計によりますと、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は2兆8173億円の赤字となりました。

貿易赤字は13か月連続で比較可能な1979年以降、1か月の赤字としては過去最大です。

原油などエネルギー価格の上昇で輸入額が大きく膨らんだことに加えて、外国為替市場で円安が進み、輸入額の押し上げにつながったことが主な要因です。

輸入額は10兆8792億円と、去年の同じ月を49.9%上回って過去最大となっています。

エネルギー資源の輸入額は、原油がおよそ1.9倍、LNG=液化天然ガスがおよそ2.4倍となっています。

一方、輸出額は8兆619億円と去年の同じ月よりも22.1%増えました。

自動車や軽油、それに半導体製造装置などが増えていますが、輸入額の伸びを下回ったため、結果として貿易赤字が拡大することになりました。

ロシアによるウクライナ侵攻の影響で資源価格の高騰が続いているほか、穀物などの輸入価格も上昇し、貿易赤字が前年を上回る状況が続いています。