ウクライナ ロシア軍撤退の地域 住民が拷問加えられていた疑い

ロシアが軍事侵攻を続けるウクライナでは、東部や南部でウクライナ軍が反転攻勢を続けています。
こうした中、東部ハルキウ州の警察幹部は、ロシア軍が撤退した地域で、多くの住民が拘束され、拷問を加えられていた疑いが明らかになったとして、被害の実態解明を急いでいます。

ウクライナ軍は東部のハルキウ州で反転攻勢を続け、マリャル国防次官は13日、ロシア軍から奪還したハルキウ州のバラクリヤで記者会見し、州内およそ300の集落と15万人以上が解放されたと強調しました。

ウクライナ軍は南部でも反撃を続けていて、南東部ザポリージャ州の中心都市メリトポリのフェドロフ市長は13日、SNSで、ロシア軍の車列が市内から離れ、ロシアが一方的に併合したクリミア半島に向かったと主張しました。

こうした状況を受けて、ゼレンスキー大統領は13日に公開した動画で、これまでに4000平方キロメートル以上の地域で、領土の統治を回復したと明らかにするとともに、これとは別に解放したほぼ同じ面積の地域でも、治安の安定化を進めていると強調しました。

一方、ハルキウ州の警察本部の幹部で、捜査を指揮するボルビノフ氏は13日、SNSに、バラクリヤでロシア軍が住民を不当に拘束し、拷問を加えていた疑いがあるとする情報を投稿しました。

警察署の地下などに、ウクライナ軍に協力したとして常時少なくとも40人を拘束し、電気ショックなどの拷問を加えていたという目撃情報を得ているとしたうえで「世界にロシア軍の非道ぶりを伝えるため、われわれはバラクリヤでの悲劇を明らかにする」と強調しています。

同じハルキウ州では、12日にも、ウクライナの検察当局が、ロシア軍が撤退した地域で拷問の痕がある4人の遺体が発見されたと明らかにしていて、ウクライナ政府は被害の実態解明を急いでいます。