ウクライナ軍が東部で反転攻勢強める ロシア軍は士気低下か

ロシアが軍事侵攻を続けるウクライナでは、東部でウクライナ軍が反転攻勢を強めていて、国防次官はハルキウ州の全域の解放に向けて意欲を示しました。ウクライナ軍は、南部でも反撃を続け、ロシア軍の士気と戦闘能力が低下しているという見方も出ています。

ウクライナ軍は、東部のハルキウ州で反転攻勢を強めていて、マリャル国防次官は13日、ロイター通信に「この地域がわれわれの完全な管理下に置かれたと言うには時期尚早だが、達成に向けて進行中だ」と述べ、州全域の解放に向けて意欲を示しました。

また、隣接する東部ルハンシク州のハイダイ知事は13日、独立系メディアのインタビューで、ことし7月にロシア軍が全域の掌握を主張したルハンシク州でも、一部の地域でロシア軍が撤退したという見方を示しました。

ウクライナ軍は南部でも反撃を続けていて、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は12日の分析で、衛星画像をもとに、ヘルソン市近くのロシア軍の前線基地では、ほぼすべての軍の車両が離脱したなどと指摘しています。

そして「ヘルソン州で大きな戦果をあげていて、この地域のロシア軍の士気と戦闘能力を着実に低下させている」という見方を示しています。

こうした中、ロシアの議会では、兵力を確保するため国民を動員すべきだという声が出始めています。

このうち、現在は予備役の登録を認められていない、3人以上の未成年の子どもを持つ親に対しても、希望すれば可能とするなどとした改正法案が12日、与党の議員グループから議会下院に提出されました。

ただ、プーチン政権としては、総動員令の発動は国民から反発を招きかねないとして、避けたい考えとみられ、ロシア大統領府のペスコフ報道官は13日、国民の動員について「いまのところそうした話はいっさいない」と述べて、否定しました。