ウクライナ東部 大規模停電 火力発電所などロシア軍が攻撃か

ウクライナ東部では11日、ウクライナ軍が反転攻勢を強める中、火力発電所などがロシア軍によるとみられるミサイル攻撃を受けて大規模な停電が起きました。

ウクライナ政府によりますと、東部ハルキウ州では11日、火力発電所や水道施設などがロシア軍によるミサイル攻撃を受け、ハルキウ州を中心に大規模な停電が起きました。

地元ハルキウの市長は「皮肉な報復だ」と述べ、ウクライナ軍の領土奪還に対する、ロシア軍による報復だという見方を示しました。

ウクライナ軍は9月以降、3000平方キロメートル以上の領土を解放したと主張するなど東部を中心に攻勢を強めています。
AP通信が11日に配信した、ハルキウ州内で撮影されたとする映像では、兵士が建物の屋根にウクライナの国旗を立てる様子が確認できます。また別の動画では、広場に立つ兵士が「ここはハルキウ州、イジュームの広場だ。イジュームはこれからもウクライナの都市だ」と話す様子が映されています。

ロシア国防省は10日、ハルキウ州内の重要拠点イジューム周辺に展開する部隊について「再配置を決めた」と発表し、イジュームからの撤退を事実上、表明したと受け止められています。

一方、外部電源が失われ安全性が懸念されていたザポリージャ原子力発電所について、ウクライナの原子力発電公社は11日、電力の供給が復旧したことを明らかにしました。

これを受けてIAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は、「砲撃が続くかぎり危険な状況は変わらない」として、改めて原発や周辺での砲撃に懸念を示しました。

こうした中、フランスのマクロン大統領はロシアのプーチン大統領と電話会談を行いロシア側にIAEAの勧告に従うよう求めましたが、ロシア側は攻撃はウクライナ側によるものだと主張し議論は、平行線をたどりました。