ウクライナ軍 ハルキウで複数の集落奪還 さらなる奪還へ米支援

ウクライナ軍は、東部ハルキウ州でロシアが支配していた複数の集落の奪還に成功したと明らかにし、反転攻勢を続けています。こうした中、首都キーウを訪問したアメリカのブリンケン国務長官はウクライナなどに対し、日本円にして4000億円規模の軍事支援を表明するなど、さらなる領土奪還に向けて支援する姿勢を強調しました。

ウクライナ軍の参謀本部は8日、これまでに東部ハルキウ州などでロシア側が支配していた20の集落を解放し、700平方キロメートル以上の領土を奪還したと明らかにしました。

また、東部ドネツク州のクラマトルシク近郊などでも、ロシアが占領した地域に攻め入ったとしています。

ゼレンスキー大統領も8日、「9月に入ってから、これまでに合わせて1000平方キロメートル以上に及ぶ領土を解放した」と述べ、反転攻勢を強調しています。

こうした中、アメリカのブリンケン国務長官は8日、首都キーウを事前に発表することなく訪問し、ゼレンスキー大統領と会談しました。

ブリンケン長官は、ウクライナ軍が東部や南部で反転攻勢を強めていることを念頭に「今が重要な局面だ。ロシアの軍事侵攻は6か月以上続いているが、ウクライナ軍の反撃は今も続き、成果を上げている」と述べました。

そのうえで、砲撃に使うりゅう弾砲や、高機動ロケット砲システムのロケット弾など、合わせて6億7500万ドル、日本円にしておよそ970億円相当の新たな軍事支援を行うと伝え、さらなる領土奪還に向けて支援する姿勢を強調しました。
これに対し、ゼレンスキー大統領は「アメリカが、ウクライナとともにあるという非常に重要なシグナルだ。われわれにとっては、領土を取り戻せるという保証だ」と応じました。

また、ブリンケン長官は、この支援とは別に、ロシアの脅威にさらされているとして、ウクライナや隣国のモルドバなど19か国に対し、22億ドルの軍事支援を行うと発表し、今回表明した支援額の総額は日本円にして4000億円規模に上ります。