ウクライナ軍 東部でもロシア軍を押し戻す 反撃の動き続く

ロシア軍に支配されている領土の奪還を目指し、ウクライナ軍が南部で反転攻勢を強める中、アメリカのシンクタンクはウクライナ軍が東部ハルキウ州でもロシア軍の部隊を押し戻す動きが出ていると分析していて、ウクライナ軍による反撃の動きが続いています。

ウクライナ軍は、南部ヘルソン州などで反転攻勢を強めていますが、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は6日、ウクライナ軍が東部ハルキウ州でも反撃し、ロシア軍の部隊を押し戻したと指摘しました。

そして「ロシア軍がハルキウ州など東部から南部へ部隊を展開させたことで、ウクライナ軍はハルキウ州で反撃の機会を得たとみられる」としていて、ロシア軍が南部での防衛に追われる中、ウクライナ軍が東部でも反撃に成功したと分析しています。

ウクライナのゼレンスキー大統領も7日に公開した動画で「今週、ハルキウからいいニュースがあった。いま、集落の名前は明らかにしないがウクライナ軍がいくつかの集落を奪還した」と述べていて、ウクライナ軍による反撃の動きが続いています。

また、ウクライナ軍のザルジニー総司令官は7日、地元の通信社への寄稿で、ロシアが一方的に併合したクリミアの軍の基地で先月9日に起きた爆発について、ウクライナ側による攻撃だと初めて公に認めました。

この攻撃で駐留するロシア軍の複数の航空機が破壊されましたが、ザルジニー総司令官はクリミアについて、ロシア軍の部隊の展開や補給、それにウクライナへの空爆の拠点になっているとしてクリミアを奪還する重要性を強調しました。

一方、ロシア軍が掌握するウクライナ南東部のザポリージャ原子力発電所と周辺では依然として砲撃が続いています。

IAEA=国際原子力機関は声明で、原発と近くの火力発電所を結ぶ予備の送電線が、6日砲撃によって損傷したと明らかにしました。

IAEAは、この送電線の損傷により直ちに原発の運転に影響は出ていないとしていますが「施設がさらされる重大な安全のリスクを浮き彫りにしている」として、原発への外部からの電力供給に影響を与える軍事行動をやめるよう求めています。