国連安保理 欧米各国“ロシアはウクライナ市民拘束 強制移送”

ウクライナ情勢をめぐる国連の安全保障理事会の会合が開かれ、欧米各国は、ロシアがウクライナ東部などで市民を拘束したりロシア国内に強制的に移送したりしていると非難し、ロシアに対して国連による調査を受け入れるよう迫りました。

ウクライナ情勢をめぐり、欧米各国や国際的なNGOは、ロシア軍が支配下に置いたウクライナ東部などに市民を尋問する施設を設け、その後拘束したりロシア国内に強制的に移送したりしていると指摘しています。

これについて国連安保理で7日、会合が開かれ、国連人権高等弁務官事務所の担当者が報告を行い、ロシア軍がウクライナ市民を尋問していることを確認したとしたうえで、「信頼できる情報によればその過程で多数の人権侵害があった」と述べました。

このあと、アメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は「こうした活動はロシアの支配に従わない個人を特定するのが目的で、ロシアへの併合に備えるものだ。見せかけの住民投票を行おうとしている」と述べ、ロシアが併合を目指す地域で住民投票を行い、都合のよい結果が出るよう準備しているという見方を示しました。

そのうえで、強制的な移送などは国際法上の戦争犯罪に当たるとしてロシアを厳しく非難し、国連による調査を受け入れるよう迫りました。
これに対し、ロシアのネベンジャ国連大使は、現地で行われているのは尋問ではなく登録の手続きだと反論し、欧米はロシアをおとしめるために新たな偽情報を広めていると主張しています。