“塩野義製薬のコロナ飲み薬 早期の承認を” 学会が提言

新型コロナウイルスによる医療のひっ迫を防ぐために、重症化リスクが低い患者も服用できる飲み薬が必要だとして、日本感染症学会などは、塩野義製薬が開発した新型コロナの飲み薬の早期の承認を求める提言を厚生労働省に提出しました。

提言は2日、日本感染症学会と日本化学療法学会が厚生労働省に提出しました。

軽症の段階で使える新型コロナの飲み薬は、重症化リスクが高い患者用のものが承認されていますが、リスクの低い患者が使えるものはなく、提言では医療のひっ迫を改善するには高齢者などと同居している軽症の患者にも速やかに薬を投与し、感染拡大を抑えることが大切だとしています。

そのうえで、リスクの低い患者にも使うことを目指して塩野義製薬が開発した飲み薬「ゾコーバ」について、「治験では呼吸器症状の改善が示され、ウイルス量の減少も示されている」として、国は迅速に承認を検討すべきだとしています。

「ゾコーバ」は、新たに創設された緊急承認の制度を使って申請されましたが、厚生労働省の審議会ではことし7月に「有効性を推定できるデータが不十分だ」として、承認が見送られ、今月にも示される新たな治験の結果を踏まえて改めて審査が行われる見通しとなっています。

記者会見した日本化学療法学会の松本哲哉理事長は「新たなデータが出れば、一日も早く審議を開始し、早期に承認してほしい」と話していました