ユーロ圏 8月の消費者物価指数 7月に続き過去最大伸び率9.1%

ドイツやフランスなど、ユーロ圏19か国の8月の消費者物価指数の伸び率は、9.1%と7月に続いて過去最大を更新しました。歯止めがきかないインフレを抑えるため、ヨーロッパ中央銀行には大幅な金利の引き上げを求める声が強まりそうです。

EU=ヨーロッパ連合が31日に発表した8月のユーロ圏の消費者物価指数は、前の年の同じ月と比べて9.1%の上昇となりました。

上げ幅は前の月の8.9%から、さらに拡大し、統計をさかのぼれる1997年以降で最大の伸び率となりました。

ロシアによるウクライナ侵攻を背景に、エネルギー価格が38.3%、食料品などが10.6%と大幅な上昇が続いていて、幅広い品目で物価高が進んでいます。

国別では、
▽ドイツが8.8%
▽イタリアが9.0%などと、
前の月より上昇率は大きくなったほか、
▽フランスが6.5%
▽スペインが10.3%などと、
高い水準が続いています。

外国為替市場では、こうした物価高によるヨーロッパ経済減速の懸念から、通貨ユーロが売られ、1ユーロが1ドルを下回る水準で低迷するなど、輸入品の価格をさらに押し上げる要因になっています。

ヨーロッパ中央銀行は、来週の政策理事会で7月に続いて金利を引き上げる見通しですが、家計や企業活動の大きな重荷となっているインフレを抑えるため、大幅な利上げを求める声が強まりそうです。